更新日: 2024.07.30 その他家計
夏バテで「冷ややっこ」ばかり食べています。栄養的に「納豆・キムチ・ねぎ」も一緒なら問題ないでしょうか? 食欲がなく、冷たいものばかり食べてしまいます…
本記事では、冷ややっこの栄養価、納豆やキムチ、ねぎをトッピングした場合はどうなるのか、さらに家計への影響についても解説します。
夏バテには冷ややっこ! その栄養価は?
さっぱりとした豆腐に醤油をかけて食べる「冷ややっこ」は、一見栄養が足りないように感じるかもしれません。実際はどうなのでしょうか。
絹ごし豆腐と醤油の栄養は?
絹ごし豆腐は、三大栄養素である、たんぱく質、脂質、炭水化物のうちのたんぱく質と脂質を多く含む食材です。良質なたんぱく質が150g(1/2丁)あたり8g含まれています。他にも、ビタミンE、鉄分、カルシウム、イソフラボン(女性ホルモンの「エストロゲン」に構造が似た成分)などの栄養も豊富です。
豆腐にかける醤油は日本人の定番の調味料で風味を高めますが、塩分の取りすぎには注意が必要です。
キッコーマンの「こいくちしょうゆ」には、15g(大さじ1)あたり2.5gの塩分が含まれています。塩分を取り過ぎると、高血圧などの健康被害を起こすリスクが高まるため、醤油の量は控えめにしましょう。
以上のように豆腐は高い栄養価を誇るものの、豆腐と醤油のみの冷ややっこだけでは、ビタミン類やミネラル、食物繊維が不足しており、栄養が偏ってしまいます。
納豆・キムチ・ねぎをトッピングしたらどうなる?
冷ややっこに納豆やキムチ、ねぎを加えることで、足りない栄養素を補い、栄養バランスを整えることができるでしょう。
大豆と納豆菌を発酵させてつくる納豆は、冷ややっこに不足している食物繊維を含み、腸内環境を整えるのに役立ちます。さらに、タンパク質は1パック当たり7.4g含まれており、冷ややっこと合わせると15.4gにもなります。
キムチには乳酸菌が豊富で、腸内環境を整える効果が期待できるうえ、カロリーも低くヘルシーな食材といえるでしょう。
トッピングのねぎには、風邪の予防が期待できるアリシンという成分が含まれているほか、葉の部分に豊富なBカロテンが老化やガン対策に役立つとされています。
納豆、キムチ、ねぎはそれぞれヘルシーな食材であり、栄養価も高く、冷ややっことの相性も良いとされています。タンパク質、食物繊維、乳酸菌、アリシン、Bカロテンといった栄養素を同時に摂取することができる点も魅力といえるでしょう。
ただし、三大栄養素の1つでもある炭水化物が不足しますので、冷ややっこばかりにならないように注意が必要です。
冷ややっこのコスパは?
冷ややっこは安く、手軽に手に入る食材です。冷ややっこの1食当たりの費用を、イオンのネットスーパーの食材価格で算出してみます。
豆腐は1パック(150g)あたり約38円、醤油は小さじ1杯あたり約1.6円、納豆は1パックあたり約35円、キムチは40gあたり約32円で、青ねぎ適量は20円と設定します(2024年7月22日時点)。これらを組み合わせると、1食分の費用は126.6円となります。
総務省の家計調査によると、1ヶ月の単身世帯の食費は4万6391円です。これを30日で割り、さらに1日3食だとすると、1食あたりの食費は約515円になります。
冷ややっこ+トッピングの食事は、平均の1食あたりの食費の3割弱の費用となり、非常にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
このように、冷ややっこをベースにしたメニューは、栄養バランスが良いだけでなく、家計の味方にもなります。少し高価なブランド食材・食品を使用しても、節約効果が得られるでしょう。
夏バテ対策の簡単なポイント
暑さで夏バテしないよう、対策を簡単に紹介します。
●水分補給
暑さで汗をかきやすい夏は、こまめに水分を補給することが重要です。水だけでなく、スポーツドリンクや塩分入りのドリンクも活用しましょう。
●バランスの取れた食事
さっぱりとした食事が好まれる夏ですが、タンパク質・脂質・炭水化物の3大栄養素を意識しつつ、できるだけさまざまな食品を取り入れるよう心がけましょう。
●適度な運動
暑い時期でも、無理のない範囲で適度な運動を行うことで、体力を維持することができます。室内でのストレッチやヨガもおすすめです。
●十分な休養
暑さで体力が消耗しやすい夏は、しっかりと休養をとることが重要です。冷房を適切に使い、快適な睡眠環境を整えましょう。
まとめ
冷ややっこは、夏の暑さで食欲が落ちる時にぴったりのメニューです。豆腐に加え、納豆、キムチ、ねぎをトッピングすることで、栄養バランスを整えながら手軽に楽しめます。コスト面においても、1食あたり126.6円と経済的で、コストパフォーマンスも抜群です。
しかし、3大栄養素の1つである炭水化物が不足するため、冷ややっこばかりにならないよう、バランスを整えることが大切です。夏バテ対策には冷ややっこを取り入れつつ、水分補給や適度な運動をおこないながら体調を整え、暑い夏を元気に乗り切りましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
執筆者:渡邉志帆
FP2級