更新日: 2024.07.25 働き方
大学生の息子が週5日バイトしているようです。それでも「月10万円」の仕送りを求められます。額を減らしてもよいでしょうか?
本記事では、大学生がアルバイトで得られる収入や生活費をご紹介しつつ、仕送り額を減らせるのかについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
目次
大学生の生活費
最初に大学生の生活費を見ていきましょう。独立行政法人日本学生支援機構によると、令和4年度における学校区分別の学生生活費は表1の通りです。
表1
学校区分 | 学費 | 生活費 | 学生生活費 (学費+生活費) |
---|---|---|---|
大学学部(昼間部) | 114万7300円 | 67万7400円 | 182万4700円 |
短期大学(昼間部) | 100万3200円 | 48万9200円 | 149万2400円 |
修士課程 | 75万5100円 | 97万6600円 | 173万1700円 |
博士課程 | 59万400円 | 163万8000円 | 222万8400円 |
専門職学位課程 | 99万8700円 | 125万4200円 | 225万2900円 |
※独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」を基に筆者作成
例えば大学学部(昼間部)の場合、学費と生活費を合計すると、182万4700円の支出があります。1ヶ月単位に換算すると約15万2058円です。生活費のみにフォーカスすると、67万7400円の支出、月平均では5万6450円になります。
ただし、国公立と私立では学費の部分で大きく差が出る可能性があるため、あくまで目安として考えておきましょう。
週5日でアルバイトした場合の収入の目安
大学生がアルバイトした場合の収入がどれくらいか、目安を計算しましょう。東京都で1日4時間、週5日のアルバイトをしていると仮定します。
厚生労働省が発表した地域別最低賃金によると、令和4年度の東京都の最低賃金時間額は「1072円」でした。この時給で4時間働く場合、1日あたりの給料は4288円となり、週5日働くと月8万5760円の収入を得られます。
週5日でアルバイトしている場合、仕送りは減らせる?
アルバイト代以外の収入源として仕送りをもらっている場合、収支バランスがどうなるか見ていきましょう。独立行政法人日本学生支援機構によると、令和4年度における家庭からの仕送り額は表2の通りです。
表2
学校区分 | 家庭からの給付 |
---|---|
大学学部(昼間部) | 109万6900円 |
短期大学(昼間部) | 79万2900円 |
修士課程 | 83万9000円 |
博士課程 | 24万9000円 |
専門職学位課程 | 77万5600円 |
※独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」を基に筆者作成
例えば大学学部(昼間部)においては、109万6900円の仕送り額でした。月ベースだと、約9万1408円です。前述のアルバイト代8万5760円と合算する場合、1ヶ月あたり「17万7168円」の収入となります。
ではアルバイト代と仕送りを合算した収入を、大学学部(昼間部)の学生生活費と比較しましょう。
●生活費のみとの差額:約12万718円のプラス
●学生生活費(学費+生活費)との差額:約2万5110円のプラス
生活費のみを払う場合、収入にはかなりの余裕があるようです。このように、アルバイト代と仕送り代で出費を余裕でまかなえる場合は、仕送り額を数万円減らせる可能性があるでしょう。学費と生活費を合わせた場合もプラスではありますが、仕送り額を調整する際は状況に応じて子どもと話し合う必要があるかもしれません。
アルバイトや仕送りだけでは足りない場合の生活費を補てんする方法
もし月10万円の仕送りを続けることが難しく、かつ子どもの学生生活費が足りなくなった場合は、子どもの方でも何か対策をしてもらう必要があるかもしれません。
例えば、食費や通信費、娯楽費などの支出をおさえてもらったり、奨学金の利用を検討してもらったりできるでしょう。奨学金は、在学中でも申請して採用となれば受け取ることができます。
最終的にどのような対策が取れるか、子どもとよく話し合ったうえで決定するとよいでしょう。
月10万円の仕送りを減らせるかは状況により変わる
今回の試算では、大学学部(昼間部)に通う大学生の子どもにアルバイト収入がある場合、仕送りと合わせると使える予算が月17万円程度となります。
仕送り額を減らせるかどうかは、実際の生活費や学費の支払いの有無などによって変わるでしょう。子どもと収支について話したうえで、仕送り額を調整するとよいかもしれません。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査結果 1.学生生活費(学費と生活費の合計)( 4ページ)、4.学生の収入状況(8ページ)
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧(過去5年分)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー