更新日: 2024.07.02 働き方
休日出勤をしても「休日手当」がもらえない?「みなし残業」に含まれる場合とは? それぞれのケースを解説
本記事では、「みなし残業」とはどんな制度なのか、「休日出勤」はみなし残業代に含まれるのか、該当するケースと該当しないケースを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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みなし残業と就業規定の休日出勤を要チェック
上司からみなし残業代の話をされたとのことですが、まずは勤務先の就業規定や雇用契約書を確認しましょう。基本給のほかに、みなし残業について金額や時間数がはっきり明記されているでしょうか。もし定めがないようであれば、上司が「みなし残業代に含まれるから」と言っても、それは違法ということになります。
みなし残業の仕組みとは
次に、みなし残業とはどんな制度なのか確認しておきましょう。「みなし残業」とは、あらかじめ決められた一定時間分の残業代が給与の中に含まれている労働契約のことです。
例えば、基本給のほかに月20時間分のみなし残業代が含まれていれば、実際に残業や休日出勤した時間が月20時間未満だとしても、あらかじめ決められた20時間分の残業代が支給されます。
さらに、決められた20時間を超えて残業や休日出勤をした場合には、超過分の残業代が支給されることになっており、支払いがなければ違法になる可能性があります。
休日出勤の定義は?
休日出勤と一口に言っても「法定休日」の出勤と、「法定外休日」の出勤の2種類があります。
「法定休日」は労働基準法に定められた最低限与えなくてはいけない休日のことです。雇用側には1週間に1日、または4週間に4日の休日を付与することが義務づけられています。この「法定休日」に休日出勤した場合、基本の賃金に対し35%以上の割増賃金の支払いが必要です。
一方「法定外休日」とは、就業規定や雇用側との契約で決められた法定外の休日のことです。いわゆる「所定休日」と呼ばれるもので、こちらは休日労働には当たりません。たとえ土曜日と日曜日の2日間が休日となっていて、土曜日に出勤したとしても日曜日に休んでいれば、労働基準法上は違法ではありません。
みなし残業(固定残業)が休日出勤に該当するケースとしないケース
休日出勤した分がみなし残業(固定残業)に該当する場合、基本的に残業代の支払いはありません。同じく休日出勤してもみなし残業に入らず残業代がもらえるケースの例もみてみましょう。
みなし残業分に該当するケース
●就業規定や雇用契約で、休日出勤の賃金も固定残業代に含まれていると明確に定められている:決められたみなし残業の時間分は賃金の割り増しはありません
●所定休日に出勤したケース:就業規定や雇用契約で特別に支払う定めがない限り、賃金の割り増しはありません
みなし残業分に該当しないケース
●決められたみなし残業の時間数を超えて出勤したケース:超過分を別途請求できます
●「法定休日」に出勤したケース:割増分が35%以上と定められているため別途支払われます
●深夜残業ありの休日出勤:22時から翌朝5時にかけての残業はさらに25%を割増で支払うことが法律で決まっています(みなし残業内の時間数でも別途25%割増分の支払いが必要)
まとめ
みなし残業制と休日出勤について解説しましたが、残業代が変わらなかったり休日手当がもらえなかったりすることがある理由が納得できたでしょうか。半面、みなし残業(固定残業)の導入で基本給が最低賃金を下回っている違法性のあるケースや、支払いミスで超過分が漏れているケースもあります。
まずは上司ではなく、給与担当をしている総務の担当者などに就業規定や雇用契約を確認してみましょう。もし違法性が高く、自身では手に負えないと感じる場合には、労働基準監督署へ相談してみましょう。
出典
東京労働局 働きかたのルール~労働基準法のあらまし~
厚生労働省 労働時間・休日
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー