更新日: 2024.06.30 貯金
実家を掃除していたら10年前に作った口座の「通帳」が出てきました。預けていたお金はまだ引き出せますか?
今回は休眠口座になる基準や休眠後のお金の行く末などを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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10年たった口座は休眠口座になる
金融庁によると、「休眠預金等活用法に基づき、2009年1月1日以降のお取引から10年以上、その後のお取引のない預金等(休眠預金等)は、民間公益活動に活用されます。」と記載されています。
残高がまったく引き出せなくなるわけではなく、金融機関で所定の手続きを行えば、引き出すことが可能です。しかし、一般的なATMでお金をおろすよりも手続きに時間を要す可能性があります。
手続きに必要なものは、対象口座の通帳やキャッシュカード、本人確認書類などです。詳細は金融機関に確認することをおすすめします。万が一、キャッシュカードや通帳をなくしてしまっている場合は、その点もあわせて伝えましょう。
休眠口座の金額は多大
休眠口座は毎年多く発生しています。政府の調べによると、毎年1200億円程度の休眠口座が発生しているとのことです。口座残高があるにもかかわらず、持ち主が忘れてしまっているケースも珍しくありません。なかには、口座の名義人が亡くなった後、残高がある状態で長年にわたり放置されているケースもあります。
10年たつと引き出せなくなる
休眠口座になると簡単にお金を引き出せなくなります。ただし、長年にわたり放置していた口座であっても、休眠口座に該当するものとしないものがあるようです。具体的には、表1のように定められています。
表1
休眠預金の対象 | 対象外 |
---|---|
普通・通常預貯金、定期預貯金 当座預貯金、別段預貯金 貯蓄預貯金、定期積金 相互掛金 金銭信託(元本補填のもの) 金融債(保護預りのもの) |
外貨預貯金、譲渡性預貯金 金融債(保護預りなし) 2007年10月1日(郵政民営化)より前に郵便局に預けられた定額郵便貯金等 財形貯蓄、仕組預貯金 マル優口座 |
※金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」を基に筆者作成
一般的な普通預金の場合は、休眠預金等になりうる可能性が高いでしょう。
休眠口座のお金は社会のために使われる
休眠口座になったとしても、気づいた時点で金融機関に相談すると引き出すことは可能です。しかし、そのままにしておくと公共団体の資金として社会のために活用されるようです。
休眠口座にあるお金はもともと口座の契約者のものではありますが、使われない場合には、しかるべき手続きを踏んで、公共活動の資金として活用されているのです。
休眠口座になる前の流れ
ここからは休眠口座になる前の流れを解説します。10年が経過すると通告なしに休眠口座となるわけではなく、事前に通知がくるようです。
9年が経過したら通知が来る
入出金等の取引がない状態で9年が経過したら、口座情報に登録してある住所に通知が来ます。この時点で口座を使っていないことに気づいた場合、預金を引き出したり、新たに口座を使用したりすることを検討しましょう。今後も口座を使用する予定がなければ、口座解約手続きを行うことをおすすめします。
1万円未満の場合は通知が来ない
口座残高が1万円未満の場合は通知が来ないこともあるようです。もしも知らないうちに口座が休眠状態になっていた場合、預けている額面が少なかった可能性があります。
複数の銀行口座を保有しているケースが多いものの、あまりに数が多いと使わない口座がでてくるものです。今後も使いそうにないと判断した口座は、解約するのも一つの方法です。
休眠口座の基準は10年
自分がかつて使っていた口座が休眠口座になっていたとしても、しかるべき手続きを踏めば預金を引き出すことができます。しかし、住所が変わっていたり、結婚して名義変更していたりする場合には手続きが煩雑になります。もしも今後使用しない口座がある場合には、今のうちに整理しておきましょう。
出典
金融庁 長い間、お取引のない預金等はありませんか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー