更新日: 2024.06.25 その他家計
「6月に3連休が欲しい」という理由で、有休を申請しました。上司に「その理由はちょっと…」と言われたのですが、“有休の理由”ってどう伝えるべきですか?
休みを増やすために活用したいのが有給休暇です。金曜か月曜に有給休暇を取得すれば、自分だけの3連休を作ることができます。ただ職場の人からは「みんな我慢しているのに休むのはズルい」と思われてしまうこともあるかもしれません。
本記事では、有休を使って休むのを我慢したほうがいいのか迷う人に向けて、有給休暇の権利の概要や取得時期の注意点などを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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有給休暇は労働者に与えられる、通常の休暇以外の休暇のこと
年次有給休暇(以下、有給休暇)は、通常の休暇とは別に与えられる休暇のことです。労働者の心身疲労の回復とリフレッシュが主な目的となっています。
厚生労働省によれば、有給休暇は労働者の「権利」です。1.6か月以上継続して勤務している者であること、2.その期間に全労働日の8割以上出勤していること、という2つの条件を満たすことで10日の有給休暇が付与されます。また、出勤率が8割以上であれば、継続勤務1年ごとに休暇日数は増加していき、最高で20日を限度に取得することが可能です。
また、有給休暇は正社員だけの権利ではありません。所定労働日数が少ないパートタイム労働者であっても、所定労働日数に応じた有給休暇が付与されます。
有給休暇は労働者の権利なので理由を伝える必要はない
6月は祝日がなく、平日の日数が多いことから仕事量のコントロールがしやすいというケースもあるでしょう。休めるときに休みたいと思うのは当然のことともいえます。
ただ、職場によっては「みんなが我慢しているのに有給休暇でズル休みはおかしい」「休めるから休むというのは仕事に不真面目」といった圧力を感じ、有給休暇を取得しづらい雰囲気が漂っていることもあるかもしれません。
なかには有給休暇を取得するために上司に「休暇を取る目的」を話して許可をもらうといった職場が存在している可能性もあります。
本来の有給休暇は上司に休暇の目的などを伝えたり、許可を得て取得したりするものではありません。労働者自身が特定の日を指定して有給休暇の取得を申請した場合、原則として使用者である会社は有給休暇を与える必要もあります。
有給休暇は労働者に与えられた当然の権利であり、特別な理由は不要です。冠婚葬祭への出席や行政へ出向いての申請手続き、体調不良はもちろん、旅行やレジャーなどリフレッシュのために休むことも当然できます。「6月は祝日がないから有給休暇を利用して3連休を取る」でも全く問題ありません。
会社は労働者に時季変更権を行使することはできる
労働者が有給休暇を取得したいと思ったら、いつでも取得することはできますが、会社の繁忙期にあたる時期は別です。
労働基準法には、「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合、他の時季に変更することができる」旨の記載があります。
6月が会社の繁忙期にあたる場合は会社から時季変更権を行使されて休めない可能性はあるでしょう。その場合は上司と、取得する時期をいつにするかを相談することになります。
また取得できたとしても、繁忙期に休むと部門に迷惑になったり、休んだ後の仕事量をさばけなくなったりするかもしれません。周囲への影響も考えつつ、6月に有休を申請するか否かを決めましょう。
まとめ
有給休暇は労働者に与えられる当然の権利であり、理由に関係なく労働者が休みたいと思えば申請することができます。上司に休む理由を聞かれても答える必要はなく、聞かれても「私用」と答えれば良いでしょう。6月に3連休を作るために休むことも当然できます。
ただ、6月が会社の繁忙期にあたる場合は、時季変更権を行使される可能性もあります。休みを取得できても会社や同僚に迷惑になることが予想される場合、「どうしてもその日に休まなければいけない」といった特別な事情がない限り、有給休暇の取得日を変更することを検討してもいいかもしれません。
出典
厚生労働省 たしかめよう労働条件 Q&A
e-Gov法令検索 労働基準法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー