更新日: 2024.06.24 その他家計
「冷房28度」って、今の時代に合っていませんよね? 節電の大切さは分かるのですが、もっと低くしないと命を失う気がします…。
今回は、「冷房28度」の根拠や28度または26度にした場合にかかる電気代、室内熱中症を防ぐ方法などを紹介します。節電はしたいけど熱中症が心配と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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適正な室温を28度としている
環境省が推進する「クールビズ」などの活動を通じて、夏でも過度に冷房を使うことを避ける考え方はすっかり定着しました。クールビズでは適正な室温の目安を28度としています。そのため、クールビズを実施し地球温暖化対策を行っているとアピールするために、28度にしているオフィスも多いでしょう。
ただし、環境省ではクールビズの公式サイトにおいて28度は室温の上限であり、設定温度ではないと明記しています。適正な室温の目安を提示している理由は過度な使用を避けることであり、室温を28度に保つことが目的ではありません。
たとえば日当たりのよい南向きの部屋と北向きの部屋では、設定温度が同じでも室温や体感温度は異なります。そもそも設定温度と室温は必ずしも同じではありません。日当たりのほか、外気温や湿度、室内にいる人の体調などによっては、28度より低い温度に設定する必要があるでしょう。
エアコンの設定温度を28度にした場合の電気代
節電効果を把握するため、28度に設定した場合にかかる電気代を計算します。電気料金は地域によって異なるものの、今回は公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会が公表している目安単価「31円/kWh」を使用します。業務用エアコンの消費電力(冷房運転時)を3.26kWとした場合、1時間使用したときにかかる電気代は以下の通りです。
101.06(円)=3.26(kW)×31(円/kWh)
1日10時間、1ヶ月(22営業日)の電気代は
2万2233(円)=101.06×10時間×22日です。
エアコンの設定温度を26度にした場合の電気代
冷房運転時、26度に設定すると28度のときよりも多くの電気代がかかります。室温と設定温度の差がより大きくなるためです。環境省によると、設定温度を 1度上げると、変更前より約10%の節電効果があるとされています。
したがって、26度の場合に必要な電気代は以下の計算式で算出できます。なお、消費電力や電気代の目安単価、稼働日数・時間の条件は同じです。
2万7448(円)=2万2233(円)÷0.9 ÷0.9
設定温度を2度下げることにより、電気代は約1.23倍になることが分かります。
冷房の節電では室内熱中症に注意する
節電のために冷房の温度を高めに設定している場合は「室内熱中症」に注意しましょう。熱中症はときには命を失うこともある病気です。屋外で発生するイメージを持っている方が多いかもしれませんが、消防庁が公表しているデータによると4割程度の熱中症は住居などの室内で起きています。
特に、室温28度、湿度は70%を超えると、室内熱中症が発生しやすくなるといわれているため注意が必要です。
熱中症の主な症状には以下のようなものがあります。
・顔がほてり、めまいがする
・筋肉が痙攣する
・体がだるい、吐き気がする
・汗のかき方がいつもと違う
室内熱中症を防ぐにはこまめに水分補給したり、できる限り軽装で過ごしたりすることが大切です。また、室温や湿度を定期的にチェックし、節電中であっても必要であれば冷房の設定温度を低くすることを検討しましょう。
エアコンは快適に過ごせる温度設定に
クールビズでは、心地よい室温の目安を28度と提示しています。あくまで室温の話であるため、冷房を必ずしも28度に設定しなければいけないわけではありません。室内にいるときの体感温度は、日当たりや外の気温、湿度などの条件によって異なります。
冷房の温度を低く設定すると電気代は高くつきますが、室内熱中症の対策になるでしょう。室温が28度以上になってしまうと熱中症の可能性が高まるため、状況にあわせて温度を変えるのがおすすめです。
出典
環境省 COOL CHOICE COOL Biz 適正な室温とは
公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問
総務省消防庁 熱中症情報|救急搬送状況
経済産業省 資源エネルギー庁 空調 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー