更新日: 2024.06.21 その他家計
友人が趣味で畑をしています。「スーパーで買うより全然安い」と言っているのですがそんなことないですよね? 肥料や種など結構お金がかかっていると思うのですが……
野菜を自分で育てるとスーパーなどで購入する必要がなくなりますが、果たしてスーパーで購入するよりもお得になるのか気になるところです。
本記事では、野菜を自家栽培するのにかかる費用や、家庭菜園の魅力について紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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節約になるかは収穫次第
家庭菜園は、必ずしも食費の節約につながるとはかぎりません。栽培がうまくいき、大量に収穫できたり、繰り返し収穫できたりすれば、野菜を購入するよりもお得になるかもしれませんが、うまく生育できず収穫量が少なければ、コストのほうが上回ってしまうでしょう。
家庭菜園をするには、野菜の種や土のほかに農業用具や肥料なども必要となり、それなりの初期費用がかかります。
また、自宅で消費する野菜をすべて家庭菜園でまかなうためには、菜園の規模や収穫スケジュールを立てなければなりません。農作物には、同じ場所で栽培を続けると収穫量が落ちる連作障害と呼ばれる現象があります。そのため、家庭菜園を継続する場合は、連作障害への対策も必要です。
また、家庭菜園は維持にも大きな労力がかかります。水やりなど日々の世話や、病気対策、害虫駆除などをしなければならず、収穫するまでに手間と時間がかかるでしょう。
野菜の卸売価格
本項では、野菜の卸売価格を紹介します。農林水産省「青果物卸売市場調査(日別調査)」で公表されている、2024年6月14日時点の主要卸売市場の卸売価格は図表1のとおりです。
図表1 2024年6月14日時点の卸売価格(1キログラムあたり)
にんじん | 236円 |
だいこん | 90円 |
キャベツ | 79円 |
きゅうり | 218円 |
トマト | 347円 |
ピーマン | 429円 |
農林水産省「青果物卸売市場調査(日別調査)」を元に筆者作成
野菜には旬があり、時期をあわせれば安く購入できます。
家庭菜園の魅力
本項では、家庭菜園の魅力を3つ紹介します。食費の節約以外にも多くの魅力があるため、コスト以上のメリットを感じられた場合は、家庭菜園に挑戦してみるのもよいでしょう。
自分で育てた野菜を収穫する喜びを味わえる
家庭菜園には、自分で野菜を育てて収穫する喜びを味わえるメリットがあります。いつも当たり前のように食べている野菜を育てる大変さを知ると、食のありがたみが再認識できるでしょう。
また、子どもと一緒に家庭菜園をすれば食育につながり、嫌いな野菜を食べられるようになるかもしれません。自分で土を耕して種や苗を植え、手間と時間をかけて野菜を育てる行為は、ほかには代えがたい充実感を味わえるでしょう。
野菜を育てるのは、楽しいことばかりではありません。うまく苗が育たなかったり、害虫被害に悩まされたりと、失敗することもあるでしょう。試行錯誤を繰り返して収穫に成功したときには、大きな達成感を得られます。
無農薬栽培すれば新鮮な野菜を安心して食べられる
農薬を使わず家庭菜園を行えば、自分で育てた新鮮な無農薬野菜を味わえます。農薬を使用する場合も、自分で使用量を調整できるため、農薬による影響を過度に心配する必要がありません。
家庭菜園は、普段スーパーや小売店などでは販売されていない部分も食べられるメリットがあります。一例として挙げられるのが、大根の葉っぱです。
通常、農家からスーパーに届くまでにしおれてしまうため、葉っぱ付きの大根を見かけることは少ないでしょう。自分で育てた大根であれば、収穫してすぐ料理に使えるため、葉っぱまでおいしく食べられます。
気分をリフレッシュできる
家庭菜園を通して日々植物に触れることで、気分のリフレッシュにもつながります。自然と触れあい野菜の成長を見守る時間は、都会の騒がしさを忘れさせてくれるでしょう。家庭菜園は、年齢に関係なく誰でも楽しめる趣味の一つでもあります。
大量に作ることを目的としなければ、畑を耕す必要はなく、プランターでも栽培が可能です。プランター菜園であれば力仕事も少ないため、手軽に野菜を育てられます。気分転換に自宅で野菜を育ててみるのもよいでしょう。
自家栽培が必ず節約につながるとはかぎらないが、ほかにも魅力がある
家庭菜園は、必ずしも節約につながるとはかぎりません。初期費用や収穫までの手間や労力を考えると、スーパーで購入するほうが手軽に感じる方もいるでしょう。
しかし、緑の少ない都会に住んでいる方にとって、家庭菜園は自然と触れあうよい機会になります。プランターでも手軽に家庭菜園ができるため、節約のためではなく気分転換の一つとして始めてみるのもよいでしょう。
出典
農林水産省 毎日の卸売価格
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー