更新日: 2024.06.19 働き方
4月入社の新入社員。職場で「テレワーク」を希望したら、「その分の評価が下がる」と言われた! これって問題ないの? 評価との関係を解説
このような中、厚生労働省では、テレワークを正しく活用できないことで発生するトラブルを回避するために、ガイドラインを制定しています。
本記事では、ガイドラインを参考に、テレワークをすることによって人事評価を低くつけることは妥当性があるかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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テレワークを理由に低い評価をつけることは適切ではない
結論としては、テレワークという働き方を就業規則等で定め、その範囲内で活用している場合において、テレワークを理由に人事評価を低くつけることは適切ではありません。
テレワークは非対面の働き方である性質上、業務の進捗などが見えにくく評価が十分にできないという意見も聞かれます。
しかし、環境に合わせて適正な人事評価をできるように工夫することが企業には求められます。例えば、具体的に求める水準を提示することや達成状況の共通認識を持つための機会を設けること、評価者の訓練を行うことなどがあげられます。
また、適切でない評価として次のような具体例がガイドラインであげられています。
オフィスへ出社勤務している人を高く評価する
オフィスで勤務する人を高く評価することによって、相対的にテレワークで働く人の評価が低くなることは適切とはいえません。これは、テレワークの実施頻度が労働者本人に委ねられている場合、評価を気にしてテレワークをすることを妨げてしまうことにつながるからです。
時間外や休日に対応しなかったことを理由に低い評価をつける
テレワークをしていると、いつでもパソコンが手元にある環境となりますので、仕事とプライベートの区切りが不明確になりがちです。それを逆手にとって、時間外や休日にメールなどに対応しなかったことを理由に低い評価をつけることは適切ではありません。
新入社員はコミュニケーションの円滑化に特段の配慮が必要
中途採用者を含む新入社員は、まだ業務に不慣れで、先輩や上司へ相談の機会も多いでしょう。テレワークに不安を感じる人がいることも想定し、会社側には「特段の配慮」が求められています。
その一環で出社を命じられるケースもあるかと思います。もちろん出社は1つの選択肢ではありますが、特段の配慮には出社を促すこと以外にもさまざまな配慮の仕方があります。
例えば以下のようなものがあげられます。
・定期的なオンライン面談の実施
・チャットツールの利用
・メンター制度の導入
・オンライン研修の導入
今回のケースのように「テレワークを選択するなら人事評価を下げる」というネガティブな発言は大いに問題があります。しかし、新入社員はその特性上、会社側が業務の円滑化に配慮してくれていることにも意識を向けましょう。テレワークと出社を上手く組み合わせるなどして、コミュニケーションの円滑化を図ることが重要です。
会社とコミュニケーションを取りながら効率的にテレワークを活用しよう
就業規則等で定められた範囲内でテレワークを行う人に対して、テレワークを理由に人事評価を低くつけることは、適切ではありません。
一方で、新入社員などの業務経験が浅い人が業務を円滑に進めるためには、特段の配慮が必要なことも事実です。出社することも1つの選択肢ですが、それ以外の方法も上手く取り入れて、労使双方にメリットのあるテレワークという働き方を効率的に活用しましょう。
出典
厚生労働省 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン
厚生労働省 テレワークガイドラインを改定しました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー