更新日: 2024.06.15 働き方
単純な疑問なのですが、退職願の提出はどのタイミングがよいのでしょうか? ボーナス支給後でもよいですか?
今回は、ボーナスをもらって退職するなら退職日をいつにするべきかについて、シミュレーションしながら解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
給与とボーナスの違い
給与は労働の対価として考えられており、毎月必ず支給しなければならないことが労働基準法第24条で定められています。しかしボーナスは、給与とは異なり必ず支給しなければならないものではありません。
厚生労働省による「労働基準法の施行に関する件」では、賞与(ボーナス)を次のように定義しています。
「賞与とは、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであつて、その支給額が予め確定されてゐないものを云ふ」
つまり、ボーナスを支給するかどうかは、会社次第ということになります。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査令和6年2月分結果速報等」によると、令和5年に実際に年末賞与が支給された会社は、従業員数5人以上の会社のうち69%とのことです。支給された事業所の平均賞与額は39万5647円でした。
ボーナス支給の有無は会社次第
夏のボーナスが支給される会社の場合、ボーナスが支給されるためには退職日を何日にすればよいでしょうか?
ボーナスを支給される・されないは、それぞれの会社によるため、まずは、就業規則を確認しましょう。就業規則で確認すべき内容は、賞与の支給時期や査定期間、支給の要件などです。
年2回賞与を支給する会社の場合、支給時期は夏が6~7月前後、冬は12月頃が一般的で、査定期間は夏が10月〜3月、冬が4月~9月となることが多いようです。しかし、年3回以上支給がある場合などは、査定期間が短く設定されていることがあります。
支給の要件は多くの会社で「ボーナス支給日に在籍していること(支給日在籍要件)」と定めているでしょう。
ボーナスがもらえる退職のタイミングは?
6月末にボーナスが支給されると仮定して、会社の就業規則で支給対象者を「支給時期に在籍している者」と規定している場合、どのタイミングで退職すれば支給されるか考えてみましょう。
(6月15日まで在籍した場合)
査定時期に在籍していたのだから支給されるだろうと考えるかもしれませんが、支給日に在籍していないため支給されない可能性が高いです。
(6月末まで在籍した場合)
支給日に在籍しているため、ボーナスを受け取れるでしょう。
ただし、ボーナス支給日に退職する場合、退職願を提出するのはそれよりも前になります。賞与支給のルールがない場合、ボーナスの額が減額される可能性があるため注意が必要です。
退職申し出のベストタイミングは「ボーナス支給後」
ボーナスを満額もらって退職するなら、退職を申し出るタイミングは「ボーナスを受け取った後」がよいでしょう。
「ボーナスをもらったらすぐに辞めたい」と考えるかもしれませんが、それでは周囲の心証がよくない可能性もあります。支給後、1週間ほど待ってから退職を申し出、その後十分な引き継ぎ期間をとることが、気持ちよく退職するためにもおすすめです。
ボーナスをもらって退職するなら就業規則をチェック
退職を考えている場合、すぐに新しい就職先が見つからない可能性もあるため、できればボーナスをもらった後で退職したいと考える方も多いでしょう。
いつ退職願を提出するのか、具体的な退職日をいつにするのかは、まず就業規則を確認したうえで決定しましょう。
一般的に、ボーナスの支給日に在籍していれば、ボーナスを支給されることがほとんどです。しかし、ボーナスを受け取った当日に退職するのは、残される社員からするとあまり心象はよくありません。気持ちよく退職できるよう、くれぐれも退職のタイミングには注意しましょう。
出典
厚生労働省 労働基準法の施行に関する件
厚生労働省 毎月勤労統計調査令和6年2月分結果速報等
デジタル庁 e-Gov昭和二十二年法律第四十九号労働基準法第二十四条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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