更新日: 2024.06.05 貯金
現在50歳で貯蓄は「1500万円」。老後は「沖縄」へ移住してもいいですか?憧れがあります…
なかには、定年退職後に沖縄へ移住して、自然に囲まれた土地でのんびり暮らしたいと考える方もいるかもしれません。
そこで今回は、沖縄県の物価に触れながら、いくら貯蓄があれば老後安心して生活できるのかについて解説します。沖縄への移住を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
沖縄県は老後に移住したい都道府県第1位!
株式会社AlbaLinkが実施した「老後に住みたい移住先に関する意識調査」において、リゾート地としても人気の沖縄はランキング1位のようです。2位は東京都、3位は北海道と続きます。
沖縄県を選んだ理由としては、「海がとてもキレイで、自然が多い」「のんびり自分のペースで過ごせそうですし、あたたかい人が多そうだから」などの声が上がり、自然のほかにも県民性に魅力を感じている方もいるようです。
「沖縄地方」と「関東地方」の平均支出
老後の移住先として人気のある沖縄県ですが、関東地方と比べて支出にはどのような違いがあるのでしょうか。
e-Stat政府統計の総合窓口で公表されている「家計調査[家計収支編] 2023年(令和5年)」では、都市階級・地方・都道府県庁所在市別で消費支出(二人以上世帯)が発表されています。
それぞれの平均値は表1の通りです。
表1
沖縄地方 | 関東地方 | |
---|---|---|
消費支出(月額) | 22万4987円 | 31万1094円 |
年間支出額 | 269万9844円 | 373万3128円 |
※e-Stat政府統計の総合窓口「家計調査 [家計収支編]2023年(令和5年)」を基に筆者作成
関東地方と比べて沖縄地方における月の平均消費支出は、8万6107円安いことが分かります。沖縄地方での生活は、関東地方に比べて支出を抑えられる可能性があります。
次の章で、実際の物価水準について見てみましょう。
沖縄地方と関東地方の食費・住居費・光熱費を比較してみた
沖縄地方のほうが、関東地方に比べて支出の平均値は下回っていることが分かりました。
実際に支出の項目からいくつかピックアップして、沖縄地方と関東地方を比較してみましょう。同資料に記載されているそれぞれの平均額(月額)を、表2にまとめました。
表2
消費支出 | 沖縄地方 | 関東地方 |
---|---|---|
食料 | 6万9613円 | 8万7081円 |
住居 | 1万5532円 | 2万359円 |
光熱・水道 | 1万9815円 | 2万3578円 |
※e-Stat政府統計の総合窓口「家計調査 [家計収支編]2023年(令和5年)」を基に筆者作成
表2を見ると、沖縄地方のほうが全体的に支出を抑えられていることが分かります。この結果から、関東地方よりも沖縄地方のほうが物価は安い傾向にあるといえるでしょう。
なお、賃貸物件(1LDK)の相場を「東京都(新宿区)」と「沖縄県(那覇市)」で比較すると、以下の結果となりました。
・東京都(新宿区):15万8000円
・沖縄県(那覇市):7万2000円
物件や間取りによっても家賃は左右されますが、沖縄地方に移住したあとのほうが家賃は安くなる可能性もあるでしょう。
65歳から沖縄県に移住するならいくら貯金しておけばいいのか?
沖縄地方の物価が分かったところで、実際にいくら貯金があれば移住を検討できるのかを計算してみましょう。
前述の沖縄地方の二人以上世帯における平均消費支出「22万4987円(月額)」のデータを使用します。
仮に夫婦あわせた年金受給額を月20万円(一人当たり10万円)とすると、月の不足額は2万4987円です。65歳で移住して仮に90歳まで生きたとすると、25年で必要なお金は749万6100円になります。
実際は住民税や社会保険料など非消費支出も加わるため一概には言えませんが、貯蓄が1500万円あれば、移住したあと年金のみでも生活していける可能性がありそうです。
ただしライフスタイルによって支出は異なりますので、あくまで目安として参考にしてください。
貯蓄1500万円あれば沖縄に移住後も生活には困らなそう
沖縄地方は、関東地方と比べて支出額が低い傾向にあることが分かりました。
今回の計算結果では、貯蓄が1500万円あれば、沖縄県での生活で困ることはなさそうです。
しかし、移住する際の引っ越し費用や、病気や介護が必要になったときの費用を考えると、貯蓄が多いに越したことはありません。移住後の生活を楽しむためにも、できるだけ貯金を増やしておくと安心です。
出典
株式会社AlbaLink 老後に住みたい移住先に関する意識調査
e-Stat政府統計の総合窓口 家計調査[家計収支編]2023年 表番号1-1
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー