更新日: 2024.06.01 働き方
子どもの体調不良で「2時間」早退! 翌日その分「残業」することになったけど、有休は時間単位では使えないの? 有給取得について解説
そこで本記事では、「時間単位の有休の取得」は認められないのかについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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時間単位の有休取得は可能
そもそも、有給休暇は労働者の権利の1つです。労働者は一定期間勤続することで、有給の休暇を取得することができます。パートやアルバイトといった勤務形態の人でも取得可能です。
また、有給休暇は原則として労働者が希望した日に与えなければいけません。しかし、使用者(会社側)も「労働者が有給休暇を取得することで事業の正常な運営を妨げる場合」については、別の日に有給休暇を与えることもできます。
これが「時季変更権」です。もっとも、時季変更権は「繁忙期だから」、「人手不足だから」といった理由では使用できないことになっています。
有給休暇の取得は基本的に日単位となっていますが、労働基準法が改正されて時間単位の有給休暇も取得できるようになりました。年に5日を上限に「時間単位の有給休暇」を取得可能です。1時間に満たない端数がある場合は時間単位に切り上げる必要があります。
時間単位の有給休暇についても使用者には時季変更権がありますが、こちらについても事業の正常な運営を妨げる場合でなければ使用できません。
そのため、労働者は原則として希望日に有給休暇を取得できます。時間単位であれば急用に対応することもできるので、労働者にとってメリットは大きいです。しかし、使用者にとっては休暇の付与が複雑になってしまうというデメリットがあります。
事例の場合は時間単位の有給休暇の取得が難しい
時間単位の有給休暇は、就業規則に記載があり、労使協定を締結することが必要となります。
労使協定の内容については、「時間単位の有給休暇を取得できる労働者の範囲」や「取得できる日数」、「時間単位の有給休暇の1日の時間数」、「1時間以外の時間を単位とする場合の規定」といった4つについて規定する必要があります。また、労使協定については書面によって規定されていることが必要です。
事例の場合は、就業規則で「時間単位の有給休暇」について記載があり、書面による労使協定がない場合は取得できない可能性が高いです。この場合は使用者が有給休暇の取得を拒否できます。
労働基準法に決まりがないため、使用者にも時間単位の有給休暇を取得させる義務はありません。労働者と使用者が話し合い、導入を検討することが重要となります。労働者が働きやすくなるためにも休暇を取りやすい環境や制度を導入することが求められています。
労働契約を結ぶ際に就業規則をしっかりと確認するようにしましょう
時間単位の有給休暇を取得できることは、労働者が必要に応じて有給休暇を利用できるメリットがあります。自身や家族が体調不良になった場合や銀行手続きといった急用に対応できる点も労働者にはうれしいところです。
しかし、時間単位の有給休暇は就業規則に記載があることや書面による労使協定が締結していることが必要となっています。そのため、このような決まりがない会社では時間単位の有給休暇の取得を拒否されても泣き寝入りするしかありません。労働契約を結ぶ際に就業規則を確認するようにしてください。
出典
厚生労働省 改正労働基準法 3.年次有給休暇の時間単位付与
厚生労働省 時間単位の年次有給休暇制度を導入しましょう
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー