更新日: 2024.05.31 働き方

これまで「年収130万円未満」になるように働いてきましたが、10月から「社会保険」に加入する可能性があるんですか!? 手取りはどのくらい減るのでしょうか…?

これまで「年収130万円未満」になるように働いてきましたが、10月から「社会保険」に加入する可能性があるんですか!? 手取りはどのくらい減るのでしょうか…?
配偶者の扶養に入るために「年収の壁」を意識して働いている人も多いでしょう。年収の壁にも種類がありますが、年収130万円を超えてしまうと社会保険料を支払うことになる「年収130万円の壁」があります。
 
しかし、2024年10月からは社会保険の適用が拡大されることで、年収130万円未満であっても社会保険に加入しなければならなくなる場合もあり注意が必要です。
 
そこで本記事では、2024年10月からの社会保険の適用拡大について解説すると共に、130万円未満である年収120万円で社会保険に加入した場合の社会保険料について紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

従業員が51人以上の企業に拡大

社会保険の適用範囲は少しずつ拡大してきました。
 
例えば、2022年10月から従業員が101人以上勤めている企業に対象が拡大しています。そして、2024年10月からは従業員が51人以上勤めている企業も対象となることが決まっています。
 
社会保険に加入対象となる要件は従業員が51人以上勤めている企業で働いていることに加えて、以下4つの項目すべてを満たす従業員は社会保険に加入する必要があり、社会保険料の支払い対象となります。
 

・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満であること
・基本給および諸手当が月に8万8000円以上あること
・雇用期間の見込みが2ヶ月以上あること
・学生ではないこと

 

年収の壁を意識していた人には大きな負担に

従業員が51人以上の企業に勤めていて年収120万円の場合は、2024年10月までは社会保険の加入対象ではありません。しかし、それ以降は社会保険の加入対象者となってしまいます。
 
社会保険料としては、「健康保険料」と「厚生年金保険料」の2つを支払う必要があります。例えば、東京都在住の45歳で年収120万円の人を例にすると健康保険料は月5674円、厚生年金保険料は月8967円です。
 
年間では健康保険料が6万8088円、厚生年金保険料は10万7604円の負担になります。合計額は17万5692円です。配偶者の扶養に入っている場合はこれらの社会保険料の対象ではありませんが、社会保険に加入することになると支払う必要があります。年収の壁を意識して働いている人にとっては大きな負担となるでしょう。
 

社会保険の対象となるメリット

社会保険料は大きな負担となりますが、社会保険の対象となることでメリットもあります。例えば、将来の年金の増額です。厚生年金保険料を支払うことで、老齢基礎年金だけでなく老齢厚生年金も受け取れるようになります。また、万が一の場合の障害年金や遺族年金も増額が見込める点もメリットです。
 
それだけでなく、健康保険の傷病手当金や出産手当金の対象となります。健康保険が充実することもメリットとなるので、社会保険の加入も検討してみてください。
 

2024年10月になる前に働き方を見直しておきましょう

2024年10月からは、配偶者の扶養に入って働いている人にとって働き方を見直すきっかけになるかもしれません。場合によっては手取り額が大きく減ってしまう可能性もあるので注意しましょう。
 
一方、社会保険に加入するメリットもあります。今回の社会保険の対象拡大は、これまで社会保険に入りたくても入るのが難しかった人にとって大きな変化です。社会保険に加入するメリットとデメリットを理解し、2024年10月になる前に働き方について考えてみるとよいかもしれません。
 

出典

厚生労働省 社会保険拡大特設サイト 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表 東京都
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集