更新日: 2024.05.27 その他家計
転職して手取りが「23万円→20万円」に減りました。家賃7万円がきついのですが、貯金もないし引っ越すより住み続ける方が節約になりますか?「家賃6万円」のところを考えています
本記事では、収入が減った場合に引っ越しをすべきかどうかや、引っ越し費用の負担を減らすコツなど、引っ越しに関する節約について詳しく解説します。
引っ越した方が節約になる?
結論としては、引っ越し費用がかかることを考慮しても、引っ越しをして毎月支払う家賃を下げた方が、節約につながる可能性は高いです。
引っ越しには初期費用や移動費など、一時的に大きな出費が発生しますが、毎月かかる固定費である家賃を削ることで大きな節約効果を発揮します。
例えば、家賃を7万円から6万円まで下げた場合で考えてみましょう。
引っ越し費用は、引っ越し会社に支払う費用として約4万円(東京都内15km圏内の移動、単身者)、初期費用として約21万円(敷金1ヶ月、礼金1ヶ月、仲介手数料1ヶ月、保証料、鍵交換費用)の合計約25万円かかるとします。
年間で家賃の支出を12万円削減できるため、初期費用に25万円かかった場合でも2年2ヶ月目以降プラスに転じます。
家賃を7万円から5万5000円まで下げた場合だと、引っ越し費用は約4万円、初期費用は19万2500円(前上)で合計約23万2500円かかり、年間で家賃を18万円削減できるため、1年5ヶ月以降でプラスになります。
ただし、家賃を下げることで住環境が悪化する可能性があることには注意が必要です。一般的に家賃を下げると、部屋が狭くなったり、駅からの距離が遠くなったり、設備・機能の面で劣後したりするケースが多いです。
現在の環境に問題や不満がない場合は、引っ越しのデメリットの方が大きくなる可能性があるため、収入の減少が一時的だと分かっている場合は、家賃以外の生活費を抑える工夫から始めるのがおすすめです。
また、大して家賃が下がらない物件への引っ越しも節約効果が見込めないため、慎重な判断が必要です。まずは引っ越したい地域で賃貸物件を探してみて、自分に合った物件でコストを抑えられそうな物件はあるのか確認してみましょう。
引っ越し費用が不安な場合の対処法
引っ越しを前向きに検討したいが引っ越し費用に不安があるという場合は、初期費用をうまく抑えたり助成制度などを活用したりすることが大切です。
物件や不動産会社によっては「仲介手数料が安い物件」や数ヶ月分の家賃を無料にしてくれる「フリーレント」などを用意していることがあります。また、初期費用の支払いにクレカ払いを選択できる物件を選ぶことで、一時的に初期費用を用意できるので、うまく活用して初期費用を工面してみましょう。
条件は厳しいかもしれませんが、都市圏内から県外への移住を促進する自治体の補助金を活用できるケースもあります。ほかにも、収入が減った場合に公的機関に相談することで、給付金をもらえる制度や貸付制度などを利用できることもあります。
まとめ
引っ越し費用で一時的に大きな出費となってしまっても、家賃を下げることで毎月かかる固定費を抑えられるため、住み続けるよりも引っ越した方が節約効果は高い場合があることを説明しました。
ただし、収入の減少が一時的な場合や引っ越しても家賃が大して下がらない場合は、引っ越すことによるデメリットの方が大きくなる可能性もあるため、引っ越し以外の節約方法を検討すべきでしょう。
引っ越しを前向きに検討しているが引っ越し費用に不安がある場合は、フリーレントなどで初期費用をうまく抑えたり、自治体や支援機関の助成制度などを活用したりすることが大切です。
出典
内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生 移住支援金
厚生労働省 生活を支えるための支援のご案内
厚生労働省 生活福祉資金貸付条件等一覧
執筆者:梅井沙也香
FP2級