更新日: 2024.05.26 働き方

「固定残業代」のメリットとは何? 「給料に下駄を履かせる」イメージだけが先行しているのですが…。

「固定残業代」のメリットとは何? 「給料に下駄を履かせる」イメージだけが先行しているのですが…。
固定残業代と聞くと、「会社が得をするだけで、労働者にとっては働き損になるんじゃないの?」と不安に感じる方も少なくないと思います。労働者側にとってどのようなメリットがあるのか具体的にわからないと、固定残業代のある会社の求人には応募しにくいものです。
 
そこで本記事では、労働者側から見た場合の固定残業代のメリットやデメリットなどについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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固定残業代の会社で働くメリット

固定残業代の会社で働くメリットとして、主に以下の2つが挙げられます。

●残業時間が0でも受け取れる
●毎月の収入が安定する

どのようなメリットが得られるのか、1つずつ、確認しておきましょう。
 

残業時間が0でも受け取れる

まず、固定残業代は、残業時間が実質0時間でも受け取れるのが大きなメリットです。仕事を就業時間内で早く済ませてしまい、実際には残業をほとんどしていなくても、固定残業代は必ず支払われるので、人によってはお得な働き方になります。
 

毎月の収入が安定する

次に、固定残業代には、毎月の収入が安定するというメリットもあります。一般的に固定残業代のない会社では、その月々に発生した残業時間によって給与額が変わるため、長期的な資金計画を立てにくいです。
 
しかし、固定残業代がある場合は残業時間に左右されず、一定額の残業代が確実に支払われるため、毎月安定した収入を得ることによって長期的な支払計画にもスムーズに対応できるでしょう。
 

固定残業代の会社で働くデメリット

固定残業代の会社で働くデメリットとして、主に以下の2つが挙げられます。

●労働時間が長くなりやすい
●超過分が未払いになる恐れがある

固定残業代のどのような点に注意をしないといけないのかチェックしておきましょう。
 

労働時間が長くなりやすい

固定残業代には、労働時間が長くなりやすいというデメリットがあります。なぜなら、固定残業代は、毎月残業が発生することが予想される会社で主に導入されているからです。そもそも残業が発生しにくい会社では、その都度残業代を支払ったほうが人件費が安く済むため、固定残業代を導入するメリットがありません。
 
このように、固定残業代を導入している会社では、残業することが大前提となっており、固定残業代が導入されていない会社より激務になりやすいので注意が必要です。
 

超過分が未払いになる恐れもある

固定残業代のある会社で働くデメリットとして、「すでに固定残業代を払っているのでこれ以上の残業代は出せない」と、固定残業代に含まれる残業時間を超過した分について、支払いを拒否されるケースがあります。
 
こうした固定残業代を言い訳にした超過分の不払いは「違法」であり、労働基準法第37条では、労働者が時間外、休日、深夜労働をした場合は、会社が割増賃金を支払わなければいけないことを明記しています。
 
そのため、残業代の超過分を支払ってもらえない場合は、会社の所在地を管轄している労働基準監督署や、全労連の「労働相談ホットライン」などへ相談してみましょう。
 

固定残業が45時間超えの場合は注意が必要

残業時間は原則として、労働基準法により「月45時間」「年360時間」が上限です。固定残業代に含まれる残業時間が45時間を超える場合は「違法」になる恐れがあるため、注意しないといけません。
 
また、残業時間が違法かどうかは、会社が定めた「所定外労働時間」ではなく、労働基準法で定められた「法定外労働時間」によって判断されます。
 

固定残業代が自分の望む働き方に合うか見極めることが重要

固定残業代のある働き方が合うか、合わないかは、何を重視するかによって一人ひとり異なります。固定残業代は、実際に残業をしなくても毎月一定額が確実にもらえ、収入も安定しやすいことから、残業に対して抵抗がない方にはプラスになるでしょう。
 
しかし、残業を避けたい方にとって固定残業代のある会社は、毎月の労働時間が長いことが予想されるため、あまりおすすめできません。このように、固定残業代にはメリットもデメリットもあるため、自分の望む働き方に合いそうかよく見極めることが重要です。
 

出典

厚生労働省 賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(別紙)
デジタル庁e-Gov法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)「労働基準法第37条」
厚生労働省 時間外労働の上限規制
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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