更新日: 2024.05.25 働き方

契約社員ですが「ボーナスは出ない」といわれました。雇用形態で待遇差があるのは仕方ないのでしょうか?

契約社員ですが「ボーナスは出ない」といわれました。雇用形態で待遇差があるのは仕方ないのでしょうか?
2020年4月(中小企業は2021年4月1日)に施行された「パートタイム・有期雇用労働法」により、非正規雇用労働者(パートタイムや有期雇用労働者など)と正社員との不合理な待遇差をなくす規定がなされています。
 
同一労働同一賃金のガイドラインが策定されたことにより、収入が増えるのではと期待した契約社員の方もいるのではないでしょうか?
 
しかし契約社員の中には、ボーナスが支払われず同一労働同一賃金となっていない方もいるようです。
 
そこで本記事では、待遇改善が期待される同一労働同一賃金についてや、契約社員でボーナスが支払われない理由について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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契約社員も正社員と同じ待遇? 「同一労働同一賃金」とは

「同一労働同一賃金」とは、非正規雇用労働者が働くうえで、正社員との間にある不合理な待遇の差をなくすことを目的としたものです。
 
同一労働同一賃金の判断基準となるのは「均衡待遇規定」と「均等待遇規定」です。均衡待遇規定は、正規・非正規雇用の業務内容に違いがある場合、その違いに応じて賃金を支払う制度です。
 
対して均等待遇規定は、業務内容が同じであれば、同じように賃金を支払う制度のことをいいます。
 
これにより、企業側は基本給やボーナス・福利厚生・各種手当・教育訓練などあらゆる待遇において、正規・非正規間の格差をなくすよう努めなければなりません。
 
例えばボーナスは、同じ業務内容で同じような貢献度の人に対しては同じように支払わなければなりませんし、正社員に通勤費を全額支給した場合、非正規雇用労働者に対しても同様に支払う必要があります。
 

ボーナスをもらえない契約社員がいる理由

契約社員であるにもかかわらず、ボーナスがもらえない理由としては、3つ考えられます。
 
1つは、不合理な格差がありながらも、会社の経営状態が改善できないケースです。この場合、本来は会社側が社労士などに相談し、是正する必要があります。
 
残りの2つは、次のように法的に問題のない場合です。
 

職務の内容や配置の変更の範囲などが正社員と異なる

同一労働同一賃金の基準のひとつである「均衡待遇規定」では、職務内容・職務内容や配置の変更の範囲・その他の事情において、正社員と違いがある場合は、その違いに応じた待遇となります。
 
例えば、正社員は転勤がある一方、契約社員には転勤がない場合「配置の変更の範囲」が異なるため、ボーナスの有無や額に違いが出る可能性があります。
 

無期雇用労働者として働いている

同一労働同一賃金の対象となるのは、あくまでも有期雇用労働者です。そのため、フルタイムの無期雇用労働者は対象外となります。
 
無期雇用労働者とは、契約社員として通算5年を超えて働いた場合、自ら会社に対し無期契約を希望することで無期雇用に転換できます。会社側は申し入れがあった場合、無期契約社員に変更しなければなりません。
 
しかし、フルタイムで無期契約をしている雇用労働者は同一労働同一賃金の対象外となるため、契約内容によってはボーナスを受け取れない可能性があります。
 

同一労働同一賃金でもボーナスをもらえない契約社員もいる

非正規雇用労働者が働くうえで、正社員との間にある不合理な待遇の差をなくすために始まった同一労働同一賃金。
 
しかし、中には経済状況から待遇を改められない会社もあります。また、仕事や契約内容の差から、正社員と異なる待遇となるケースもあります。
 
非正規雇用労働者が働く際、同一労働同一賃金において待遇差などに疑問を持った場合、事業主に対し説明を求めることが可能です。説明を受けても納得できないときは、都道府県労働局などの専門家に質問することも検討しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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