更新日: 2024.05.23 働き方
スーパーで週5日、1日4時間働きはじめました。年収130万円以下で扶養内希望ですが、社会保険適用になるって本当でしょうか?
そこで本記事では、社会保険の扶養の3つのボーダーラインを整理するとともに、2024年10月からの新しい基準について紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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社会保険の扶養に入れるかどうかのボーダーラインは3種類ある
パートタイマーなどの非正規雇用の人が、配偶者などの社会保険の扶養を外れて、自分で保険料を負担しなければならなくなるボーダーラインには、次の3種類があります。
・130万円の壁
・4分の3基準
・106万円の壁
扶養内で働きたい場合は、それぞれについて判定の基準を知り、ボーダーラインを超えないように働き方を調整しなければなりません。
130万円の壁
130万円の壁を超えないためには、原則として次の収入基準を満たしている必要があります。
・年収が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金の対象となる程度の障害者は180万円未満)である
・年収が被保険者の年収の2分の1未満である
この場合の130万円は、所得ではなく額面の収入である点に注意しましょう。
4分の3基準
4分の3基準とは、収入ではなく所定労働時間および所定労働日数に対して設けられたボーダーラインです。具体的には、次のように定められています。
・週の所定労働時間および月の所定労働日数が、常時雇用者の4分の3以上である
例えば、正社員の週の所定労働時間が20時間、所定労働日数が20日の職場の場合、週の所定労働時間が15時間、所定労働日数が15日を超えると、収入にかかわらず社会保険に加入することとなります。
年収130万円以内におさえて働いている場合は、一般的に4分の3基準を超えることは考えにくいですが、ボーダーラインの一つとして頭に置いておきましょう。
106万円の壁
106万円の壁とは、2016年に新しく設けられ、適用対象が段階的に拡大されている、短時間労働者の社会保険適用のボーダーラインです。具体的には次の基準を満たすと、130万円の壁や4分の3基準を超えていなくても、扶養を外れて社会保険に加入しなければなりません。
・社会保険の被保険者数が101人以上の企業(特定適用事業所)に勤めている
・週の所定労働時間が20時間以上である
・月の所定内賃金が8万8000円以上である(賞与や時間外手当、通勤手当など一定の収入は除く)
スーパーで週5日、1日4時間働いている場合、週の所定労働時間20時間以上の基準を満たすため、従業員数、月の所定内賃金の条件を満たしていれば、扶養を外れることとなります。例えば、月平均20日働いている場合、時給が1100円を超えていれば月の所定内賃金が8万8000円を超える計算です。
2024年10月から特定適用事業所が拡大される
短時間労働者の社会保険適用の条件は段階的に拡大されており、2024年10月以降は従業員数51~100人の会社も新たに適用事業所となります。そのため、現在は勤務先の従業員規模が基準に達しておらず扶養内で働けている人でも、扶養を外れる可能性があることに注意しましょう。
社会保険に加入すると手取りは減りますが、将来の年金が増える、休業などの際の補償が手厚くなるといったメリットもあります。働く時間を減らすなどの調整をしてあくまでも扶養内で働くのか、社会保険に加入することを選択するのか、長期的な影響も踏まえてよく検討しましょう。
パート・アルバイトが扶養を外れる条件を理解しよう
パートやアルバイトで働く人の社会保険の加入が拡大しており、130万円の壁だけを意識していると扶養を外れてしまう可能性があります。扶養を外れる条件を整理して、働き方を上手に調整しましょう。
また、社会保険の加入にともなう将来的なメリットも含めて、扶養内のままで働くほうが本当に得なのかどうか、改めて考えてみることも大切です。
出典
全国健康保険協会 協会けんぽ 被扶養者とは?
日本年金機構 適用事業所と被保険者
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
内閣府 政府広報オンライン パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー