更新日: 2024.05.20 働き方

勤めていた会社が倒産し、先月から給与が未払いです…。泣き寝入りするしかないのでしょうか?

勤めていた会社が倒産し、先月から給与が未払いです…。泣き寝入りするしかないのでしょうか?
勤めていた会社が倒産したという状況で、先月から給与が支払われていないとなると不安を感じるかもしれません。労働者が給与をもらうという権利を守るための制度は、整っているのでしょうか。
 
この記事では、給与未払いの際に利用できる制度について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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原則、給与は必ず請求できる

「賃金の支払の確保等に関する法律」があり、労働者が請求することで政府が会社に代わって未払いの給与を支払います。厚生労働省が定めている条件に合致していれば、原則として請求できることになります。
 
「払賃金の立替払制度」とは、会社が倒産してしまい給与が支払われないまま退職した人に対して、未払い給与の一部を立て替えて支払う制度のことです。全国の労働基準監督署や、独立行政法人労働者健康安全機構で制度を実施しているようです。
 

「未払賃金の立替払制度」の利用条件

未払賃金の立替払制度を利用する際の条件は、以下の通りです。
 

・倒産についての法律上の倒産の場合は裁判所への申し立て、または事実上の倒産の場合は労働基準監督署への認定申請が行われた日の6ヶ月前の日から2年間のうちに退職した人
 
・未払い賃金の額は、法律上の倒産の場合には破産管財人などによる証明を、事実上の倒産の場合には労働基準監督署長による認定を受けたうえで、独立行政法人労働者健康安全機構へ立て替え払いの請求を行う
 
・破産手続き開始の決定をされた日または監督署長による認定日の翌日から計算して、2年以内に行う

 
また、会社における条件もあります。1年以上事業活動を行っていたこと、倒産したことなどにあてはまらない場合は上記制度の利用対象とならない可能性もあるので注意してください。
 
上記制度を利用する前に、条件や期限の確認、証明または認定が必要になりますので、忘れずに行いましょう。
 

「未払賃金の立替払制度」で受け取れる金額

退職日の6ヶ月前から立て替え払い請求日の前日までに、支払期日が来ている給与と退職金のうち、未払いとなっているものが対象です。未払い給与が総額2万円未満の場合や、ボーナスは制度の対象とはなりません。立て替え払いは、未払い給与の額の8割となります。
 
ただし、退職時の年齢に応じて上限が設けられています。表1に上限金額をまとめました。
 
表1

退職日の年齢 未払い給与総額の限度額 立て替え払いの上限額
(限度額の8割)
45歳以上 370万円 296万円
30歳以上45歳未満 220万円 176万円
30歳未満 110万円 88万円

※独立行政法人労働者健康安全機構 「未払賃金総額の限度額」を基に筆者作成
 
年齢により限度額が決まっていますので、ご自身が支払われる金額の参考にしてください。
 

会社が倒産して給与が未払いのときは「未払賃金の立替払制度」を利用できる可能性がある

払賃金の立替払制度とは、会社が倒産したことにより給与が支払われないまま退職した人に対して、未払い賃金の一部を立て替え支払う制度のことです。
 
退職日の6ヶ月前から立て替え払い請求日の前日までに、支払期日が来ている給与と退職金のうち、未払いとなっているものが対象です。
 
立て替え払いをする額は、未払い給与の額の8割で、退職時の年齢に応じて上限が設けられています。制度を利用する前に条件や期限の確認、証明または認定が必要になりますので、忘れずに行いましょう。
 

出典

厚生労働省 政策について 分野別の政策一覧 雇用・労働 労働基準 賃金 賃金引上げ、労働生産性向上 未払賃金立替払制度の概要と実績
独立行政法人労働者健康安全機構 賃金援護事業 未払賃金の立替払事業 Ⅴ 未払賃金立替払に関するQ&A Q2-6 立替払される額は、どのように計算するのですか。限度額があるのですか。
デジタル庁 e-Gov法令検索 賃金の支払の確保等に関する法律 (昭和五十一年法律第三十四号) 第三章 未払賃金の立替払事業 (未払賃金の立替払) 第七条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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