更新日: 2024.05.11 働き方

フルタイムパートで働く子持ち主婦です。毎月10日ほど欠勤しているのですが、社会保険から外されますか?

フルタイムパートで働く子持ち主婦です。毎月10日ほど欠勤しているのですが、社会保険から外されますか?
正社員としては働けないものの、少しでも収入を多くしようと、フルタイムのパートで働いている方は多いでしょう。しかしフルタイムで働いていても、子どものことで休む必要がある場合もあります。
 
この記事では、フルタイムでパートの仕事をしているAさんの「子どもの病気など家庭の事情で、毎月10日程度休むことがあるけれど、社会保険から外されるのではないか不安に思っている」という相談を踏まえ、社会保険に関する取り扱いを考えてみます。
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

http://moneysmith.biz

子どもの様で休みが多く不安に

相談者のAさんは、幼稚園児と小学生の子どもがいる、4人家族の主婦です。Aさんは「今後は家の購入も考えたいし、教育費や老後資金など将来に向けた貯蓄もしたい」と思い、扶養範囲以上に働くことを決めました。
 
その結果、Aさんは正社員ではなく、フルタイムのパートで働いています。現在は夫の収入があまり多くないものの、将来的には増える見込みがあったため、時期を見て労働時間を少なくすることを考えたからです。
 
フルタイムのパートは正社員と同じように働きますが、給与形態は基本給のある月給ではなく、時間給となります。そのため、休みが多くなった場合には、収入も減少してしまいます。
 
Aさんも「収入を多くしたい」と考えていながらも、幼稚園に通う子どもがよく熱を出してしまうなど、仕事を休む日が多くなっていました。小学生の子どももたまに休むことがあるなど、気付けば毎月10日程度は休む月が続いたことで、不安に感じていたようです。
 
このような場合、Aさんは社会保険の加入要件を外れてしまうのでしょうか。
 

社会保険の加入要件とは

社会保険は、厚生年金と健康保険や介護保険などが含まれる公的な保障で、条件を満たせば加入することができます。
 
社会保険の加入要件には2とおりあり、勤め先の会社の規模などによる要件で加入するケースと、勤め先の会社では加入する必要がなくても配偶者の扶養から外れるケースとがあります。
 
例えば、以下に当てはまる場合には、社会保険に加入する必要があります。


1.週20時間以上の就労で、1ヶ月の所定内賃金が8万8000円以上ある
2.従業員数が101名以上(2024年10月から51名以上)の会社に勤めている
3.2ヶ月以上継続して雇用される見込みがある
4.学生ではない

一方、従業員数が100名以下(2024年10月から51名以下)の会社に勤めていた場合でも、年収が130万円以上(月収換算で約10万8333円以上)であった場合は、勤め先の会社では加入する必要がなくても、扶養から外れて本人が健康保険に加入することになります。
 

継続的な休みでなければ、外れる必要はない

Aさんはフルタイムで働いているものの、給与形態は時間給であり、既定の日数を働いた場合は月収が16万円となります。そのため、Aさんは厚生年金保険にも健康保険にも加入しているということになります。
 
今回のAさんのように、毎月10日程度の休みを取っているケースは、継続的というより突発的な休みとしてみなされるでしょう。
 
Aさんの就労時の労働契約書には「週40時間で働く」という条件が記載されており、月に10日程度休んでも、月額賃金は8万8000円を上回っていました。
 
Aさんが仮に就業して1年目であれば、6ヶ月以降から初年度は10日、以降、所定の日数の有給休暇が付与されます。しかし、1ヶ月で10日程度休みを取る状況を考えると、有給休暇を付与されても1ヶ月目で使い切ってしまうことになり、10日以上の欠勤は、その分、収入の減少につながります。
 
収入が少なくなったまま、社会保険に加入しつづけることで、社会保険料が引かれ、Aさんはさらに収入が少なくなってしまいます。Aさんのように、今後も継続的に欠勤が10日程度続いてしまうようであれば、フルタイムではなくパートタイムで働いた方がよいでしょう。
 
そうすれば配偶者の扶養に入ることができて、社会保険料の負担がなくなることも考えられます。
 

まとめ

今回紹介したAさんのように、フルタイムパートで働いていても、子どものことなど諸事情でやむを得ず欠勤をしないといけない方は多いでしょう。その欠勤日数が多くなってしまった場合に「社会保険から外されるのではないか」という不安を抱く方もいます。
 
社会保険の加入条件は、所定の賃金や労働時間が定められています。この「所定」というのは、労働契約書などであらかじめ決められた労働条件によるものなので、突発的な休みは含みません。ただし、継続的に欠勤をしなければいけない場合は、働き方自体を変えることも考える必要があるでしょう。
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

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