更新日: 2024.05.10 働き方

部署異動が決まったのですが、今より給料が下がることが分かりました。断ることはできますか?

部署異動が決まったのですが、今より給料が下がることが分かりました。断ることはできますか?
部署異動は事前に分かっている場合もあれば、突然の辞令交付という場合もあります。しかし、部署異動すれば昇進や給与が上がるというわけではありません。
 
そこで今回の記事では、部署異動は断れるのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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部署異動を行う目的

突然違う環境になるのは、働く側としても不安があります。会社も雇用者の気持ちの理解はあるはずですが、それでも部署異動をしなければならない理由があるのです。そこで、会社が部署異動を行う理由を解説します。
 

人材不足

部署内で休職や退職、産休・育休を取得している人がいる場合は、欠員補充として異動が命じられるケースがあります。求人を出す方法もありますが、その分求人費用がかかります。また既存の社員の方が会社についての理解があるため、円滑な業務が期待できます。
 

社員の成長のため

会社が社員の成長を見込んで部署異動させるケースもあります。さまざまな部署を経験すれば、その部署でしか得られないスキルが身につきますので、ゆくゆくは昇格もでき可能性があります。
 
また優秀な人材が部署異動をすると、部署内の雰囲気が変わる可能性も考えられます。同じ場所で働く社員のモチベーションアップにもつながるでしょう。
 

組織の活性化を図るため

他部署からの社員を配置することで、新たな視点を見つけ出せる可能性もあります。新しい部署で活躍することによって、新たなチャレンジに期待しているのです。
 
またこれまでのノウハウを伝達すれば、部署がより活性化します。そのため本人だけでなく、周りの社員にもよい影響を与えること期待できるのです。
 

部署異動は拒否できる?

部署異動についてさまざまな考えがあるかと思いますが、基本的に正当な理由がない限り断ることはできません。断ると業務命令違反になる可能性があり、最悪の場合には懲戒解雇される場合もあります。
 
それでも部署異動を断りたい場合は、会社と雇用者で話し合い、双方で同意する必要があります。
 

給与が下がる場合は部署異動を拒否できる可能性がある

基本的に部署移動は拒否できませんが、減給がないという条件があります。労働契約法第8条には、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」と記載されているため、減給する場合には労働者の同意が必要となります。
 
会社が一方的に給与を下げた場合、違法の可能性があります。減給されるにもかかわらず、異動を拒否できない場合は労働基準監督署などに問い合わせてみましょう。
 

部署異動を拒否できるケース

どういった理由であれば、異動を拒否しても業務命令違反にならないのか、線引きが難しいところです。正当な理由かどうかは自分の考えだけでは判断できないこともあります。そこで、給与が下がる以外で部署異動を拒否できるケースについて解説します。
 

雇用契約書の内容に記載がない

雇用契約書内に勤務地や職種が限定されている記載がある場合は、契約違反になると考えられます。また部署異動だけでなく、転勤を命じられたケースでも拒否できます。そのため異動が命じられた場合は、雇用契約書を確認してみましょう。
 

やむを得ない事情がある場合

両親の介護が必要だったり子どもの育児などで転居を伴う異動があったりする場合は、断われます。労働契約法の第三条3項には「労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。」と記載があります。そのため、会社側は労働者の私生活を尊重する必要があるのです。
 

ハラスメントが疑われる場合

社員の好き嫌いや業務の押しつけなど、明らかな嫌がらせが伺える場合は拒否できる可能性があります。ただし、拒否する際はハラスメントの証拠を提示しなければなりません。異動命令が出てからの動きとなると時間が足りなかったり、十分な証拠が集まらなかったりするため、断るのは難しい可能性があります。
 

異動命令が出たら詳細を確認しよう

異動命令は基本的に断れませんが、給与が下がるなど契約内容と異なる場合は拒否できる可能性があるため、辞令が出たらまずは、内容や待遇をきちんと確認しましょう。
 
ただし、部署異動は自分にとってチャンスである可能性もあります。気持ちを前向きにし、新たな姿勢で活躍しましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 平成十九年法律第百二十八号 労働契約法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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