更新日: 2024.05.06 家計の見直し
将来、何かあったときのために「生活防衛資金」をとっておいたほうがいいと言われましたが、どのくらい必要でしょうか? 子持ちと独身では違いますよね?
私たちが生活するうえで、突然の病気やケガなどのリスクはつきものです。だからこそ、生活防衛資金についての正しい知識が必要です。
本記事では、生活防衛資金とは何か、独身者と夫婦のケースでいくらくらい準備しておくのがよいのかについて解説します。生活防衛資金についての知識を身につけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生活防衛資金とは
生活防衛資金とは万が一の事態に備えるための資金であり、明確な定義はありません。突然の病気やケガ、会社の倒産や失業などの理由で働けなくなり、収入が減少したり、得られなくなったりしたときのリスクに備えておくお金です。
「生活防衛資金=貯金」と考える方がいますが、これらのお金は次に挙げるとおり目的の違いがあります。
●生活防衛資金:万が一の事態に備えるためのお金
●貯金:将来起こる得るライフイベントのために用意するお金
したがって、生活防衛資金は貯金とは分けて用意したほうがよいとされています。この見出しでは、独身者と夫婦(子どもの有無)の3つのパターンに分けて、必要な生活防衛資金について解説します。
独身者のケース
独身者の場合、生活防衛資金の目安は生活費の3〜6ヶ月くらいがよいと言われています。夫婦のケースとは異なり、収入はすべて自身で使用できる特徴があるため、万が一のリスクが起こっても生活の立て直しがしやすいでしょう。
総務省統計局「2023年家計調査(家計収支編)」の家計調査によると、単身世帯・勤労者世帯の1ヶ月あたりの消費支出は17万1961円です。生活防衛資金の目安は、3〜6ヶ月くらいのため、目安となる金額は次のとおりです。
・17万1961円×生活費の3〜6ヶ月=51万5883円〜103万1766円
約50〜100万円を用意しておくと、何かあった場合でも安心です。
夫婦(子どもがいる場合)のケース
子どもがいる世帯の場合、独身者とは異なり1ヶ月あたりの生活費で6〜12ヶ月くらいの生活防衛資金を準備しておきましょう。
総務省統計局「2023年家計調査(家計収支編)」の家計調査によると、夫婦の1ヶ月あたりの消費支出は30万6138円です。生活防衛資金の目安は6〜12ヶ月くらいのため、目安となる金額は次のとおりです。
・30万6138円×生活費の6〜12ヶ月=183万6828円〜367万3656円
子どもがいる夫婦の場合、教育費がかかるため多めの準備が必要です。ボーナスがある場合は優先的に生活防衛資金に回すなどの工夫をしましょう。
夫婦(子どもがいない場合)のケース
夫婦で子どもがいない世帯の場合、1ヶ月あたりの生活費で3〜6ヶ月くらいの生活防衛資金があればよいと言われています。家計調査では2人世帯がなかったため、子どもがいる場合のケースと同じ1ヶ月あたりの消費支出を30万6138円で計算を行いました。
・30万6138円×生活費の3〜6ヶ月=91万8414円〜183万6828円
夫婦共働きであれば、どちらか一方が働けなくなったとしても、暮らしが大きく悪化するリスクは低いと考えられます。しかし、専業夫婦世帯の場合は世帯主が働けなくなった場合、生活ができなくなる可能性が高くなります。
家庭環境に応じて、多めに生活防衛資金を準備しておきましょう。
生活防衛資金を無理なく貯める方法
生活防衛資金は独身世帯や夫婦世帯、個人のライフスタイルによって準備する金額が大きく異なります。今からでも無理なく準備するためにも、次に挙げる方法をぜひ実践してみてください。
●ボーナスをすべて生活防衛資金に回す
●毎月少しずつ積み立てする
●副業を行う
●固定費を見直しする
ボーナスがある場合は生活防衛資金にすべて回すことで、1ヶ月以上の生活費を準備できる可能性があります。ボーナスがない場合は毎月金額を決めて、積み立てをするとよいでしょう。
現在の収入では生活防衛資金に回すお金がない方は副業を行う、固定費を見直しして支出を抑えるなどの方法もおすすめです。
生活防衛資金は最低でも3ヶ月以上の生活費を準備しよう
生活防衛資金は独身者や子どもがいない夫婦世帯の場合は3ヶ月以上、子どもがいる世帯の場合は6ヶ月以上が望ましいと言われています。1ヶ月の生活費を洗い出し、無理のない範囲で生活防衛資金の準備を行いましょう。
本記事を参考にして、ぜひ自身にあった方法で生活防衛資金の準備を始めてみてください。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 四半期(2023年10〜12月)
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 四半期(2023年10〜12月)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー