更新日: 2024.04.22 働き方

入社した職場での「新人歓迎会」の参加を正直断りたいです。「マイナス評価」になるのでしょうか…

入社した職場での「新人歓迎会」の参加を正直断りたいです。「マイナス評価」になるのでしょうか…
「職場で新人歓迎会が行われることになったけれど、正直行きたくない」と思う方もいるのではないでしょうか。
 
しかし同時に「歓迎会に顔を出さないと周りからひんしゅくを買ったり、人事評価が下がったりするのではないか」と心配な方もいるかもしれません。
 
職場のイベントに付き合わないと、上司や同僚との関係が崩れないか心配なところです。そこで本記事では、職場のイベントと評価に関連性があるか、国のガイドラインをベースに解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新人歓迎会は「労働時間外」となる可能性がある

厚生労働省による「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、労働時間とは「使用者(会社)の指揮命令下に置かれている時間」としています。
 
使用者の指示により作業している時間はもちろん、以下のような時間も労働時間にあたります。


・使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為や業務終了後の業務に関連した後始末を事業場内で行った時間
・使用者からの指示があったときにすぐ業務に従事するよう求められており、労働から離れることが保障されていない状態での待機時間
・参加することが業務上義務づけられている研修や教育訓練の受講、使用者の指示で業務に必要な学習等を行った時間

では新人歓迎会はどうかというと、強制参加でなく「任意参加」であれば「使用者の指揮命令下」に置かれていないといえるでしょう。よって労働時間に該当しないと考えられます。
 

労働時間外での評価は妥当とはいえない

会社は労働者を雇うときに、労働契約を結びます。労働契約では就業時間が定められており、労働時間外において労働者は拘束されません。そうであれば、労働時間外のイベントである新人歓迎会に参加しないからといって、労働者の評価が下がることは妥当といえないでしょう。
 
参加が任意である以上、「新人歓迎会に参加しないから評価を下げる」「会社の飲み会に来ないと減給する」と会社側が主張することは認められないと考えられます。
 

評価に影響がある歓迎会なら給料が発生する

仮に新人歓迎会への参加の有無が、労働者の評価に正当な影響を与えるとすれば、それは「歓迎会が労働時間内の業務」であるケースでしょう。前述の通り、新人歓迎会への参加が強制である場合は、業務の一環とみなされ評価対象となるかもしれません。
 
しかし同時に、「業務」である歓迎会に参加した労働者には、その対価として給料を受け取る権利があります。もし会社が歓迎会を強制参加と位置づけながら賃金を支払わないとすれば、労働基準法違反となる可能性があります。
 

労働時間外の歓迎会は必ずしも参加しなくてもよい

新人歓迎会であれ他の交流会であれ、賃金の発生しないイベントは原則労働時間としてカウントされません。会社からの拘束を受けない時間であるため、不参加だとしても、基本的に評価に響くことはないと考えられます。
 
評価に影響があるのであれば、新人歓迎会は労働時間内の業務とみなされ、賃金が発生しなければなりません。
 
参加が任意であっても、ほかの社員たちとの交流で親睦を深めたり有益な情報を得られたりすることもあります。個人のワークライフバランスを踏まえて参加・不参加を考えてみましょう。
 

出典

厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン 3 労働時間の考え方(1、2ページ)
e-Govポータル 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号) 第三章 賃金 第二十四条(賃金の支払)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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