更新日: 2024.03.14 働き方
転職先は「残業」が当たり前で、定時直前でも「今日中に」と仕事を頼まれます。固定残業制で早く帰ったほうが「得」なので、断っても問題ないですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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固定残業制とは?
固定残業制とは、別名「みなし残業制」と呼ばれています。なぜなら、あらかじめ決めた一定時間分、残業をしたとみなし、給与にその分の残業代を含めて支給するからです。会社が固定残業制を導入するメリットとしては、残業代を計算する手間が省けることが挙げられます。一方、従業員にもメリットはあります。それは、毎月安定した収入が得られるということです。
会社は固定残業制を導入する場合、雇用契約書や就業規則に「固定残業が何時間になるのか」を記載しておく必要があります。例えば、「固定残業時間30時間」と定められている場合、30時間残業をしてもしなくても、もらえる給与は変わらないのです。実際に残業をした時間が固定残業時間よりも少なかったとしても、会社は従業員に対して固定残業代を支払わなくてはなりません。
残業を断ってもいい場合とは?
固定残業制を導入している場合、残業をしないほうがお得だと考える従業員もいるでしょう。しかし、上司から残業を命じられた場合、断るには正当な理由が必要です。正当な理由としては次のようなケースが挙げられます。
・36協定に違反しているケース
労働基準法によって、労働時間は「1日8時間・1週40時間以内」と定められています。従業員に法律で定められた時間を超えて働いてもらうためには、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)を締結する必要があるのです。
・健康やプライベートに悪影響を及ぼすケース
例えば、妊娠中や出産後で、残業をすることによって健康に悪影響が及ぶ場合は、残業を断ることができます。風邪気味や腹痛など、体調不良の場合も同様です。また、育児や介護など、プライベートな事情がある場合も残業を断ることが可能です。
・業務上残業が必要でないケース
明日に回しても問題ない仕事であれば、無理して残業をする必要はありません。例えば、勤めている会社に「新人は上司や先輩よりも早く帰宅してはいけない」という暗黙のルールがあるとします。
しかし、こうしたルールに従う必要はありません。自分の仕事が終われば、定時に帰宅してもかまわないのです。ただし、残業が必要かどうか、労働者本人が勝手に判断することは危険です。最悪の場合、業務命令違反とみなされてしまう可能性があります。
固定残業制でも残業は断ることが可能! ただし正当な理由が必要
実際に残業をした時間が固定残業時間よりも少なかったとしても、会社は従業員に対して固定残業代を支払わなくてはなりません。そのため、残業をしないほうがお得だと考える従業員もいるでしょう。しかし、残業を断るためには「36協定に違反している」「健康やプライベートに悪影響がある」「業務上残業が必要でない」といった正当な理由が必要です。
出典
厚生労働省 固定残業代 を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。
厚生労働省 36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー