更新日: 2024.03.12 貯金

30歳で貯金が「500万円」あります。毎年「50万円」ずつ貯金できれば、早期退職してよいですか?

30歳で貯金が「500万円」あります。毎年「50万円」ずつ貯金できれば、早期退職してよいですか?
平均寿命が延びて「人生100年時代」といわれている昨今、年金だけで暮らしていくには、生活費が足りなくなる可能性があります。そのため、早い段階から老後資金に備えることが大切です。
 
そこで今回は、30歳から90歳までに想定される生活費の総額を解説します。さらに、毎年50万円を貯金した場合、何歳で退職できるのかも計算していますので、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

30歳から90歳までの生活にかかる生活費

まずは、90歳まで生きることを想定して、平均の生活費を見てみましょう。
 
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、単身世帯における平均消費支出は、表1の通りです。
 
表1

消費支出 全年代の単身世帯
月額 16万1753円
年額 194万1036円

※総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)」を基に筆者作成
 
表1のデータから、30~90歳までにかかる消費支出を計算すると、1億1646万2160円になります。働いているうちは、給与から支出をまかなえますが、定年退職を迎えたあとに働かない場合には、年金と貯蓄で生活費をやりくりしなければなりません。
 
さらに、表1の平均支出には税金や保険料などの「非消費支出」を含んでいないため、実際にはより多くの費用がかかる可能性が高いでしょう。
 
ただし、上記はあくまでも平均値での数字であり、家庭によって支出には差があるため、目安として参考にしてください。
 

30歳から毎月50万円ためたときの貯蓄額

今回のケースのように、500万円の貯蓄と合わせて、毎年50万円ためた場合に、定年間近には、以下のお金が手元にあることになります。

●55歳:1750万円
●60歳:2000万円
●65歳:2250万円

同資料によると、65歳以上の単身世帯における年金などの社会保険給付額は、平均12万1496円とのことです。前述した65歳の生活費(消費支出)を差し引くと、毎月およそ2万1643円足りなくなります。この足りない分を貯蓄で補うと、90歳までに約649万2900円が必要になる計算です。
 
仮に65歳で定年退職した場合、2250万円の貯蓄があるため、老後は年金と貯蓄で十分生活していけるでしょう。仮に55歳と60歳で退職したケースでも計算してみましょう。
 
表2

貯蓄額 65歳までの生活費 貯蓄から生活費を差し引いた額
55歳 1750万円 1941万360円 -191万360円
60歳 2000万円 970万5180円 1029万4820円

※筆者作成
 
65歳まで年金を受け取れないため、65歳までは、貯蓄を切り崩して生活する必要があります。そのため、55歳で退職すると、貯蓄が不足してしまうでしょう。60歳の場合であれば、1029万4820円の貯蓄が残りますので、万が一の出費にも対応できます。
 

毎年50万円を貯蓄する場合、退職は60歳以降にしたほうがよい

今回の結果から、30歳から65歳まで毎年50万円を貯蓄した場合であれば、30年後の60歳以降で退職するほうが、安心であることが分かりました。平均支出で計算した場合に、55歳で退職してしまうと、生活費が足りなくなるおそれがあるからです。
 
まずは、毎月の生活費や、今後考えられる大きな支出、さらには、受け取れる予定の退職金の金額などを把握することが大切です。そこから逆算して、退職時期を決めるとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年平均結果の概要
 表II-1-2 消費支出の費目別対前年実質増減率-2022年-(15ページ)
 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支-2022年-(18ページ)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集