更新日: 2024.03.09 働き方
大学進学で一人暮らしを始める息子が「コンビニでバイトするため仕送りは不要」と言っています。そんなに稼げるものなのでしょうか?
家の家計状況を考えて、自分の生活費くらいはコンビニのアルバイトで稼いで、親の負担を少しでも減らしたいと考える学生もいるでしょう。
実際、アパート等で暮らすと生活費にはどれくらいがかかるのか、コンビニのアルバイトで生活費を賄うことは可能なのかを検証してみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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一人暮らしの大学生の生活費
独立行政法人日本学生支援機構が発表した「令和2年度学生生活調査結果」によれば、大学(昼間部)に通学する学生の生活費の平均月額は、アパート等に居住している場合、215万1000円です。内訳は学費が104万3000円、生活費が110万8000円となっています。1ヶ月あたりに換算すると、学費が約8万7000円、生活費が約9万2300円です。
学生が通う大学の種別ごとに学生生活費を見てみると、国立大学は172万1800円、公立大学は168万9000円、私立大学は241万4300円で、私立大学に通う学生の生活費は国立大学と比べると69万2500円高いです。これは、私立大学の学費が国公立大学の学費と比べて大幅に高いことに起因しているといえるでしょう。
文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和3年度入学の場合、国立大学の授業料は53万5800円、入学料は28万2000円で、初年度にかかる金額は81万7800円です。公立大学の学費は53万6363円、入学料は39万1305円で、初年度にかかる金額は92万7668円になります。
一方、私立大学の授業料は93万943円、入学料が24万5951円で、初年度にかかる金額は117万6894円です。なお、公立大学と私立大学の学費は平均で、公立大学は地域外から入学した場合の金額になっています。
学費が最も安い国立大学に通う場合でも、生活費として必要な金額は172万1800円-81万7800円=90万4000円です。学費が最も高い私立大学に通う場合の生活費の平均金額は、241万4300円-117万6894円=123万7406円になります。1ヶ月あたりの生活費は、国立大学で約7万5300円、私立大学で約10万3100円です。
大学生のコンビニでのアルバイト事情
株式会社ガロア(東京都港区)が、2023年11月にコンビニでのアルバイト経験者117人の大学生を対象とした「コンビニバイトに関する調査」によれば、平均的に1ヶ月に稼いでいた金額で最も多かったのは3~4万円で約半数の51%を占めました。
2番目は1~2万円の22%、3番目は5~6万円の20%となっています。コンビニでのアルバイトの時給は900円以上1000円未満だった人が最も多く42%、2番目は1000円以上1100円未満の人で34%でした。
コンビニでのアルバイトの時給を1000円として計算すると、半数を占める3~4万円を1ヶ月に稼ぐためには30~40時間働く必要があります。1ヶ月を4週間として1週間あたりに換算すると7.5~10時間勤務しなければなりません。
生活費が最も安い国立大学に通う学生であったとしても、コンビニのアルバイトだけで生活費を稼ぐためには1ヶ月に75~80時間はアルバイトをする必要があります。1週間に換算すると18.75~20時間になるので、週に5日働くとしても1日4時間くらいはアルバイトをしなければなりません。
コンビニのアルバイトだけで大学生が生活費を賄うことは難しい
アパート等に住む大学生の学費を除いた生活費は、学費が安い国立大学に通う場合でも1ヶ月に約7万5300円必要です。コンビニのアルバイトの平均的な時給は1000円前後であるため、生活費に必要な金額を稼ぐためには1ヶ月あたり75~80時間アルバイトをしなければなりません。
学生の場合は学校に通うことが本分なので、コンビニのアルバイトだけで生活費を賄いながら学校に通うことは難しいといえるでしょう。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査結果
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
株式会社ガロア ギガバイト 大学生のコンビニバイトに関する実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー