更新日: 2024.03.08 その他家計

世帯年収「1000万円」の夫婦です。育てる子どもが一人なら、現在の暮らしを維持していけるでしょうか?

世帯年収「1000万円」の夫婦です。育てる子どもが一人なら、現在の暮らしを維持していけるでしょうか?
世帯年収が1000万円もあれば悠々自適な生活を送れそうな印象を持たれがちですが、お金の使い方次第では苦しくなる可能性が十分に考えられます。
 
特に子育て世帯は、子どもが大きくなるにつれて費用が膨れ上がっていくため、今後の生活にかかるお金を試算してみることが大切です。本記事では、世帯年収が1000万円あれば、本当に余裕をもって子育てできるのかを考えます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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子ども一人を育てるには500万円ほどの収入が欲しい

まずは、3人世帯の場合、1年間でどれくらいのお金が必要かを確認していきましょう。総務省統計局の「家計調査報告(2023年)」によると、3人世帯の消費支出は月に31万2567円です。これを1年間の消費支出に換算すると、31万2567円×12で375万804円かかることになります。
 
あくまで3人世帯の平均的な数字から導き出したものなので、単なる目安にしかすぎませんが、子ども一人を育てるには最低でも400~500万円は必要になりそうです。また、親が働けなくなったときや、子どもが病気・けがをしたときなどの不測の事態を考えると、さらにお金が必要となるでしょう。
 
世帯年収1000万円と考えるとかなり余裕をもって子育てできそうですが、実際には年収から所得税・住民税・社会保険料などが引かれることになります。
 
年収に対する手取りの割合は年齢や住む地域によっても変わりますが、仮に75%が残るとすると、実質的な収入は750万円です。子ども一人を育てるのに400~500万円必要と考えると、1年間の収入が750万円もあれば十分にゆとりをもてそうです。
 

子どもの年齢が上がるにつれて教育費が膨れ上がる

ここまで3人世帯の平均的な消費支出から考えてきましたが、子どもが学校に通う年齢になると費用はさらに膨れ上がります。子どもが小さい頃はゆとりある生活を送れたとしても、教育費が家計を圧迫するようになると、750万円の収入では足りなくなる可能性があると理解しておきましょう。
 
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校まですべて公立の学校に通ったとしても、トータルで600万円近くの教育費がかかるとされています。また、公立大学に進学した場合の教育費は4年間で約250万円です。つまり、幼稚園から大学まで通う場合、子ども1人あたり800万円以上の教育費が必要になります。
 

各種制度の所得制限に引っかかる可能性がある

国や自治体では、子育て世帯を支援するためのさまざまな制度を用意していますが、世帯年収1000万円だと所得制限に引っかかる可能性があります。
 
例えば「高等学校等就学支援金制度」では、子ども一人で両親共働きの場合は世帯年収1030万円、子ども一人で両親のうち片方のみが働いている場合は910万円までを支給の目安としています。
 
「目安を上回ったら支給されない」という絶対的な基準ではありませんが、世帯年収が一定の額を超えると、各種制度の所得制限に引っかかりやすい点に注意が必要です。
 

子ども一人で世帯年収1000万円でも楽観視はできない

3人世帯の平均的な消費支出を上回っているとはいえ、世帯年収が1000万円(手取り750万円)あっても余裕のある生活を送れるとは限りません。
 
子どもが学校に通う年齢になれば教育費が膨れ上がるため、現在の暮らしを維持できなくなる恐れがあると理解しておきましょう。各種制度の所得制限に引っかかる可能性を考慮しても、浪費はせず、将来に必要なお金を蓄えておくことが大切です。
 

出典

e-Stat 家計調査 二人以上の世帯 2023年 表番号3-1 世帯人員別
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査 調査結果の概要 表2
文部科学省 高校生等への修学支援 年収目安
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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