更新日: 2024.03.06 働き方
アルバイト先で「タイムカード」を切ってからゴミ出しや掃除をさせられるのですが、これって違法ではないのでしょうか?
そこで、本記事では、タイムカードを切ってからアルバイト先でゴミ出しや掃除をさせられた場合を例に挙げて、違法かどうかを解説します。あわせて、違法の場合、どのように対処すればよいのかを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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タイムカードを切ってからの労働は違法か?
タイムカードとは、出勤・退勤の時間を管理し記録するために必要なものです。アルバイト先はタイムカードの記録を見て、アルバイトにアルバイト代を支払います。タイムカードを切ってからゴミ出しや掃除をさせるのは、アルバイト先が「支払う賃金を減らしたい」と考えているからでしょう。
たとえゴミ出しや掃除がメインの仕事の後片付けであったとしても、これらの仕事は労働と見なされます。そのため、タイムカードを切ってからアルバイトに仕事をさせることは違法です。
タイムカードを切ってから働くことは、ただ単にその分の賃金がもらえないというデメリットだけではありません。まず、アルバイト先だけでなく、違法行為の指示に従っているアルバイトも「違法行為に加担した」と見なされるケースがあります。「自分さえ我慢すれば」と思って放置していると、大きな問題になりかねないのです。
次に、「労災保険制度」の適用外になる可能性があります。労災保険制度とは、業務上または通勤途中に労働者が負傷や病気、障害、死亡した場合に労働者本人やその遺族に必要な保険を給付する制度のことです。労働者には、アルバイトも含まれます。
例えば、ゴミ出しや掃除の最中に手を空き缶で切って、けがをしたとしましょう。通常であれば、仕事中のけがは労災保険制度が適用されます。
しかし、タイムカードを切った場合、労働時間中のけがと見なされないため、労災保険制度の対象外となってしまう可能性があるのです。労災保険が下りない場合、けがの治療費は全額自己負担になります。こうした事態に陥らないためにも、「タイムカードを切ってからゴミ出しや掃除をして」と命じられても、従ってはいけません。
違法行為への対処法とは?
ただ単にアルバイト先の上司や先輩が会社に黙って「タイムカードを切った後の掃除やゴミ出し」を命じているのであれば、会社の総務部や人事部に相談してみましょう。
明らかな違法行為のため、会社側が対処してくれます。会社全体でこうした行為を黙認しているのであれば、労働基準監督署に相談します。その際、証拠を集めておくとよいでしょう。証拠としては、出社・退社の時間を記録したメモ、上司や先輩が命じたメモなどが挙げられます。
タイムカードを切ってからアルバイトにゴミ出しや掃除をさせるのは違法
タイムカードを切ってからアルバイトにゴミ出しや掃除の仕事をさせることは違法です。違法行為の指示に従っているアルバイトも「違法行為に加担した」と見なされるケースがあります。
また、ゴミ出しや掃除の最中にけがをしたとしても、労災保険制度の適用外になる可能性があります。会社の総務部や人事部、労働基準監督署に相談するようにしましょう。
出典
厚生労働省 労災補償
厚生労働省 社会人として働き始めてからの労働法 テーマ5-3
厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー