更新日: 2024.02.18 その他家計

30歳で実家暮らし、恋人から「1人暮らししてほしい」と言われました。「貯金ができて経済的」だと思うのですが、自立のためにも実家を出るべきでしょうか…?

30歳で実家暮らし、恋人から「1人暮らししてほしい」と言われました。「貯金ができて経済的」だと思うのですが、自立のためにも実家を出るべきでしょうか…?
社会人で実家暮らしをしていると「経済的・精神的に自立していないのではないか」といった意見が出ることも少なくありません。
 
そもそも実家暮らしをしながら社会人生活をするのは決して悪いことではありません。本当は一人暮らしをしたいと考えていても、両親の介護が必要などの事情や賃貸物件が少ないなどの理由で実家暮らしをするケースも考えられます。これらを総合的に考慮すると「実家暮らし=甘え」と決めつけるのはナンセンスです。
 
ただ、例えば、結婚を視野に入れて交際しているパートナーから「将来のために一人暮らしを経験してほしい」と言われ、気乗りしないけれども「自立するために必要」などと迫られることも考えられます。本記事では、実家暮らしのメリット・デメリットや一人暮らしの必要性について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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実家暮らしのメリット・デメリット

実家暮らしをしていると同居する親・兄弟姉妹と生計を一にすることも多く、一人暮らしの場合よりも貯金しやすいというイメージがあるでしょう。しかし「自由に使えるお金が多い」ことから、散財してしまうおそれがあるというデメリットもあります。
 
家賃がかからない、あるいは家族と家賃を折半できるため、毎月の固定費を抑えられるのも実家暮らしのメリットといえます。都心部ではワンルームや1Kなどの物件でも月額6~8万円程度することも珍しくなく、水道光熱費も含めると10万円近くになる可能性もあります。実家暮らしならこれらの負担を軽減できるのも大きな利点です。
 
恋人との結婚だけでなく、旅行や海外留学、家電製品の買い替え資金を確保するなどの具体的な目標を持ち、貯金するために実家暮らしをするのもひとつの方法といえるでしょう。ただしメリット・デメリットはあくまで一般論であり、人それぞれ考え方や状況も異なるため一概にはいえない点に注意する必要があります。
 

実家暮らしをしている人はどのくらいいる?

国立社会保障・人口問題研究所が2023年8月に公表したデータによると、18歳から34歳までの未婚者で親と同居する人の割合は男性が約66%、女性は約72%となっており、7割前後の人が実家暮らしをしていることが分かります。
 
実家暮らしにはさまざまな事情があるかもしれませんが「お金の問題」も大きいと思われます。
 
例えば、年収300万円で手取り収入が額面の75%と仮定すると、年間の可処分所得は225万円で月単位では18万7500円です。ただでさえ多くない収入から6~8万円などの家賃を捻出するのは容易ではありません。
 
物価上昇なども考慮した実質的な収入も減少し続けています。厚生労働省が行っている毎月勤労統計調査の「令和5年11月分結果確報」において、実質賃金が20ヶ月連続でマイナスとなっていることが明らかになりました。
 
円安や増税などの問題もあるなかで個人での生存戦略を考えた場合「支出を減らすために実家暮らしをする」のは、経済的合理性を考えた戦略的な方法といえるのかもしれません。
 

一人暮らしをしてほしいと言われたら確認したいこと

今回のように大切なパートナーから「将来を考えて実家を出て一人暮らしを経験してほしい」と言われたら、その意図を確認してみましょう。
 

・「物件探しや契約などの手続きはできるか」を知りたい
・「食費や水道光熱費などの家計管理はできるか」を確認しておきたい
・「基本的な家事スキルの有無」があるかを確かめたい

 
例えば、これから生活を共にする可能性のあるパートナーが基本的なお金の管理や家事ができるのかを確認したいために一人暮らしを勧めることもあります。実家暮らしでも問題なく家事などができる人もいますが、「身の回りの世話はすべて親が行ってくれている」場合、将来の結婚生活を考えると不安を感じる可能性があります。
 
実家暮らしは家賃や水道光熱費の負担を抑えられて貯金もしやすいといった経済的合理性がある旨を説明し、食事や掃除、洗濯なども親に依存せずに自分でやっていることを話せば、相手の不安を和らげることができるかもしれません。
 

まとめ

本記事では実家暮らしの是非について解説しました。実家暮らしや一人暮らしはあくまで生活手段のひとつであり、どちらが良い悪いといった話ではありません。
 
もし恋人から「実家を出てほしい」と言われたら、相手の真意を確認してみるのもお勧めです。それぞれの生活環境や将来を含めた長期的なライフプランもイメージしながら、最適な方法を考えてみましょう。
 

出典

国立社会保障・人口問題研究所 第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年11月分結果確報
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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