更新日: 2024.01.19 働き方

都内出身ですが、車必須の豪雪地帯に「転勤」と言われました。雪道の運転が怖いし不便そうなので、拒否しても問題ないでしょうか…?

都内出身ですが、車必須の豪雪地帯に「転勤」と言われました。雪道の運転が怖いし不便そうなので、拒否しても問題ないでしょうか…?
会社で働いていれば、自分の意思に関係なく転勤を命じられることもあります。一般的に転勤先は社員自身で決めることはできません。不便を強いられる地域へ引っ越す場合も出てきます。転勤先が自分にとって生活しにくい環境だった場合、拒否することは可能なのでしょうか。
 
今回は、自分に合わない地域への転勤を命じられたときに拒否できる条件や対処などを解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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転勤を拒否することは可能なのか?

一般的に、労働上の問題については労働基準法をもとに判断されます。ところが、転勤に関する規定は労働基準法にはありません。そのため、転勤についてトラブルが発生したときは、民事上の問題になります。実際には、転勤を断れるかどうかは「労働契約」や「就業規則」にどのように記載されているかで判断が変わってきます。
 
勤務先が限定されていない労働契約で「転勤を命じることがある」という内容が就業規則に明記されており、かつ「業務上必要な転勤」であれば原則として拒否することはできません。しかし、勤務地を限定した労働契約が結ばれているなら、労働者の同意を得ない転勤命令は無効です。その場合は、転勤の話が出ても拒否すれば免れることはできます。
 
さらに、就業規則に「転勤を命じることがある」と明記され、勤務地が限定されていない場合でも、理由によっては転勤が無効になる場合もあります。無効と判断されるのは、例えば人員を減らすことを目的とした無理な転勤などです。中には、上司による嫌がらせなどもあるでしょう。また転院が困難な病気があるなど、労働者側が特別な事情を抱えている場合も転勤が無効になりやすいケースです。
 

不便という理由で転勤は断れる?

先述したように、転勤を拒否できるのは「勤務地が限定された労働契約を結んでいる場合」や「業務上必要のない転勤と判断されるもの」「労働者が特別な事情を抱えている場合」などです。
 
「勤務地が限定された労働契約を結んでいる場合」に転勤命令を出せば、会社側は労働契約法違反になる恐れが出てきます。たとえ就業規則に「転勤を命じる場合がある」との記載があっても、労働契約で勤務地が限定されているなら、その労働者に対して転勤を命じることはできません。
 
「業務上必要のない転勤と判断されるもの」と「労働者が特別な事情を抱えている場合」については判断が難しく、トラブルになりやすい理由です。会社と労働者の間で相違があれば、裁判所で判断してもらうしかありません。
 
今回のケースでは「雪道の運転が怖いし不便そう」という理由を挙げています。雪道の運転に自信がないなら、そのことを会社に相談してみるほうがいいでしょう。状況によっては転勤せずに済む場合もあります。しかし、過去にもその地域へ転勤した社員が複数いる場合や、何らかの対策を考えてくれる場合は断れない可能性が高くなります。
 

就業規則と労働契約書を確認して判断を

会社に入社する際、労働契約を締結するのが一般的です。個人的な理由で転勤を拒否できるかどうかは、就業規則や労働契約書の内容によります。もしも勤務地を限定した労働契約になっていれば、そもそも転勤命令自体無効になります。しかし、就業規則や労働契約書が転勤可能な内容になっているなら、抱えている不安をまず正直に相談してみましょう。
 

出典

厚生労働省大阪労働局 よくあるご質問(配置転換等)

厚生労働省 労働契約法のあらまし

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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