更新日: 2024.01.19 働き方

【絶望】転職して1ヶ月で飲み会の幹事に指名されました。準備にかかった時間は「残業代」として請求できるでしょうか?

【絶望】転職して1ヶ月で飲み会の幹事に指名されました。準備にかかった時間は「残業代」として請求できるでしょうか?
自分では望んでいないにもかかわらず、会社の飲み会幹事に指名された経験がある人も多くいるのではないでしょうか。幹事になると準備をしなくてはいけないので時間も労力もかかります。
 
準備にかかった時間分の給与は出るのか、それともサービス残業として扱われるのか知りたい人もいるでしょう。本記事では「会社の飲み会の準備にかかった時間は残業代として請求できるのか」などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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労働時間にあたるかどうか

会社の飲み会を開催するためにかかった時間分の残業代を請求できるかどうかは、その飲み会の準備が強制されたものかという点や、労働時間として認められるか否かがポイントとなるでしょう。
 
労働基準法では第32条において、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。」「使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。」と定められています。
 
この中には具体的にどのような状況が労働時間にあたるかが明記されていませんが、過去の裁判で、労働時間の定義について「原則として使用者の指揮命令下に置かれたもの」と言及されているため、この考え方が労働時間の基本定義といえるでしょう。
 
具体的には、会社から飲み会に参加することを要求されている場合や、その要求を拒んだ際に評価が下がるといった不利益があるような言動がおこなわれた場合などが挙げられます。
 
これらのことから、会社から飲み会の幹事を任命された場合は、基本的に幹事は当日も出席することが求められると考えられるため、労働時間を超える準備の時間だけでなく、当日の参加時間も残業に当てはまる可能性が高いでしょう。
 
一方、会社の同僚と個人的に飲み会を開催する場合は、その飲み会が使用者の指揮命令下に置かれたものとはいえないため、準備時間を含め、残業代の請求はできません。
 
なお、労働時間にあたると認定された飲み会で何らかのトラブルが発生した場合は労災に認定されたり、会社へ損害賠償請求をおこなったりできる点に留意しましょう。
 

残業代を請求するためには

飲み会開催に伴う残業代を請求するためには、その飲み会が強制であることを証明する必要があります。メールの履歴や拘束時間の情報など、客観的に強制的であったことを証明するものを集めることが必要です。
 
そのような客観的証拠があることで、労働時間として認定される可能性が高くなり、その分の残業代を受け取れるようになるでしょう。
 
反対に、これらの証拠がなければ使用者の指揮命令下に置かれた飲み会とはいえず、残業代を請求するのは難しくなるかもしれません。そのため、残業代を請求したいと考えている場合は必要な証拠を集めるなど、情報管理をしておくことが大切です。
 

強制された飲み会参加は残業代請求ができる

本記事で解説したように、会社から参加を強制されたり、参加しないことで不利益を被ると言及され参加せざるを得ない状況になったりした場合の飲み会参加や、開催に伴う準備時間は「労働時間」と見なされるでしょう。
 
ただし、労働時間として残業代を請求するには証拠を集めなくてはいけないため、それなりの手間がかかります。そのような強制参加の飲み会の幹事になった場合は、準備の段階から残業代を請求するために必要な証拠を集めておきましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 昭和二十二年法律第四十九号労働基準法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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