更新日: 2024.01.16 その他家計
【金欠リーマンの疑問】会社から定期代が振り込まれましたが、まとまったお金が必要だったので定期を買いませんでした。月間でいくらの損になりますか?
定期券を買わない場合は、その都度電車代を支払ったり、自転車やバイク、車を使って通勤したりすることが必要です。今回は、定期券を購入せずに毎回電車代を支払った場合、どのくらいの損になるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定期券の種類
定期券とは、決まった期間と区間内であれば、何度でも乗車が可能な割引乗車券のことです。正式名称は、「定期乗車券」といいます。
定期券の種類は、1ヶ月間・3ヶ月間・6ヶ月間などが一般的ですが、なかには1年間の定期券を発行している鉄道会社もあります。定期券は、期間が長くなるほど割安になるのが特徴です。
今回は、JR東日本を例に見ていきましょう。JR東日本によると、営業距離1~3キロメートルにおける東京の電車特定区間の定期運賃(通勤)は、以下のようになっています。
・1ヶ月間:4280円
・3ヶ月間:1万2210円(1ヶ月換算4070円)
・6ヶ月間:2万660円(1ヶ月換算約3443円)
なお、JR東日本では2023年3月18日から平日朝のピーク時間帯以外に利用可能な「オフピーク定期券」の発売を開始しました。通勤時間帯がピーク時に重ならない場合は、こちらの定期券を買ったほうがよりお得です。
八王子駅から東京駅まで通勤するケース
では、定期券を購入した場合と定期券を買わずにその都度で電車代を払う場合では、どのくらいの差が出るのでしょうか。ここでは、JR中央線を利用して、八王子駅から東京駅まで通勤するケースでシミュレーションしてみます。
※なお運賃はICカード利用時の場合
・東京駅から八王子駅までの運賃
東京駅から八王子駅までの片道の運賃は、824円のため往復では1,648円となります。この区間の定期券の料金は、1ヶ月間が2万2890円、3ヶ月間が6万5230円、6ヶ月が12万40円です。なお、オフピーク定期運賃を適用した場合は、1ヶ月間が2万350円、3ヶ月間が5万7990円、6ヶ月間が10万6710円となります。
・定期券を買わない場合は通勤日数が増えるほど損
1ヶ月の通勤日数を22日として、SuicaなどのICカードで電車代を都度払いにした場合の料金は、1ヶ月間で3万6256円(1648円×22日)です。1ヶ月分の定期代は2万2890円となるため、購入した場合との差額は1万3366円となります。ちなみに、オフピーク定期運賃が適用できる場合は、1ヶ月1万5906円の損です。
一方、1ヶ月の通勤日数が25日の場合の都度払いの料金は4万1200円(1648円×25日)で、1ヶ月分の定期代を購入した場合との差額は1万8310円となります。このように、定期券を購入しない場合は、月間で1万円以上の損になることもあるため、注意が必要です。
・定期券を買わないほうがお得になるケース
1ヶ月の出勤日数が少ない場合は、定期券を買わずに都度払いにしたほうがお得になることもあります。会社から1ヶ月間分の定期代が振り込まれるケースで、都度払いで損をしない目安は、以下の通りです。
・1ヶ月の通勤日数:13日以下(2万2890円÷1648円=約13.9日)
・3ヶ月の通勤日数:13日以下(6万5230円÷1648円÷3ヶ月=約13.2日)
・6ヶ月の通勤日数:10日(10万6710円÷1648円÷6ヶ月=約10.8日)
例えば、有休や現場への直行直帰、出張などで職場への出勤回数が少ない場合は、定期券を購入しなくても損をせずに済むでしょう。
ただし、会社の就業規則にもよりますが、支給された定期代で定期券を購入せず流用すると、発覚した場合に不正受給として問題となる場合があります。そのため、自社の就業規則を十分に把握したうえで、誤解を招かないような行動を心がけたいところです。
定期券代は会社から支給されたお金であることを忘れずに!
定期券は、決まった期間と区間内であれば、お得に乗車できる割引乗車券です。定期券を買わない場合は、通勤日数が多くなるほど損をしてしまいます。
そもそも定期券代は、会社から従業員に対して通勤手当として支給されるお金です。振り込まれた定期券代を別の用途に使ってしまうと、不正受給として問題となりかねません。自分の銀行口座に振り込まれたお金であっても、自社の就業規則にのっとった行動をとるようにしましょう。
出典
JR東日本 オフピーク定期券発売中!
※2024/01/18 記事を一部修正いたしました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー