更新日: 2024.01.16 貯金

老後に必要になる2000万円を若いときから貯める場合、毎月いくら貯めたらいいですか?

老後に必要になる2000万円を若いときから貯める場合、毎月いくら貯めたらいいですか?
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書で、「老後30年間で約2000万円が不足する」と受け取れる試算が示されたことで、老後のための準備として2000万円を目標に掲げて貯蓄に励む人は少なくありません。
 
では、若いときから2000万円を目指して貯蓄をする場合、毎月いくら貯めればよいのでしょうか。本記事で考えてみましょう。
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

22歳、30歳、35歳、各年齢から貯蓄をする場合、いくら貯めればよいのでしょうか?

貯める期間は60歳までとし、22歳、30歳、35歳から貯蓄をする場合、毎月いくら貯めれば目標の2000万円になるのでしょうか。金融庁が提供するシミュレーション(※)を使って、想定利回り1%、3%、5%のときはいくら貯めればよいのかをシミュレーションします。
 

~22歳からスタートする場合~(注)

貯蓄を22歳からスタートする場合、60歳まで積立期間は38年です。


・想定利回り1%の場合

毎月3万6000円積み立てると、38年1ヶ月で2000万円になります。
 
・想定利回り3%の場合
毎月2万3500円積み立てると、38年1ヶ月で2000万円になります。
 
・想定利回り5%の場合
毎月1万4700円積み立てると、38年1ヶ月で2000万円になります。
 
(注)22歳のみ「何年間積み立てる?」を利用してシミュレーション

 

~30歳からスタートする場合~

貯蓄を30歳からスタートする場合、60歳まで積立期間は30年です。


・想定利回り1%の場合

毎月4万7661円積み立てると、30年で2000万円になります。
 
・想定利回り3%の場合
毎月3万4321円積み立てると、30年で2000万円になります。
 
・想定利回り5%の場合
毎月2万4031円積み立てると、30年で2000万円になります。

 

~35歳からスタートする場合~

貯蓄を35歳からスタートする場合、60歳まで積立期間は25年です。


・想定利回り1%の場合

毎月5万8708円積み立てると、25年で2000万円になります。
 
・想定利回り3%の場合
毎月4万4842円積み立てると、25年で2000万円になります。
 
・想定利回り5%の場合
毎月3万3585円積み立てると、25年で2000万円になります。

この結果からも分かるように、22歳から貯蓄をスタートできれば、想定利回り1%で運用したときでも、毎月3万6000円積み立てることで約2000万円貯めることができます。
 
同じ1%の想定利回りであっても、30歳からスタートするときは毎月4万7661円を、35歳からスタートするときは毎月5万8708円を毎月積み立てて運用する必要があります。
 

ライフプランを考えて自分が積み立てられる金額を考えよう

シミュレーション上では、運用期間の長い22歳から運用をスタートするのが最も毎月の負担が軽くなります。
 
とはいえ、毎月の積み立てに充てられる金額は家族と同居しているのか、ひとり暮らしなのか、得られる収入や奨学金返済の有無などによっても違ってきます。まずは足元の自分の生活に必要なお金を差し引いて、月々いくら積み立てることができるのかを見極めることが必要です。
 
さらに、長いスパンでのライフプランを考えて、結婚式や新居購入などのライフイベントがいつになりそうなのか、その際の予算等はどのくらいになりそうかなどを考えておき、いくらなら無理なく運用に回せるのかを見極めていきましょう。
 
また、ライフプランを考えていくと、年齢を重ねるごとにライフイベントが増えるため、貯蓄に回しにくいことが分かると思います。
 
そのためにも毎月の積立額を、ライフイベントが少ない独身のときは多く、年齢を重ねてからは減らしていき、トータルで2000万円になるように貯めていくという方法もあります。そのほか、結婚後、子どもができるまでは積立額を多めにし、子どもが生まれてから積立額を減らすというのもよいでしょう。
 

適宜見直しをする

毎月いくら貯めるかは、ライフプラン、ライフイベント、シミュレーション結果を総合して検討していきましょう。ただし、必ずしも想定利回りどおりに運用できるとはかぎりません。目標額の2000万円までの積み立て・運用状況を節目ごとに適宜見直しをし、その都度修正することが大切です。
 
もし、それまでに積み上がった金額が目標額に対して不足しているようなら、運用先の見直しをする、積立額を増やす等を考えていきます。
 
とはいえ、最優先すべきは今の生活です。毎月の積立額の負担が大きいなら、毎月の積立額を減らしてボーナス時に積み立てをするなどの対策も検討してみてください。
 

出典

金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」
(※)金融庁 資産運用シミュレーション
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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