更新日: 2024.01.03 働き方
身内の不幸が重なり月に3度の有休を取りました。「さすがに取り過ぎだよ」と上司に言われましたが有給取得にルールはあるのでしょうか?
有給休暇の取得は労働者の権利なので、原則として会社の承認や許可は不要です。とはいえ、有給休暇を取得すれば同僚や上司に業務のしわ寄せが来ることも認識しなければなりません。
本記事では、有給休暇の取得について、有休を取りすぎた場合の同僚や上司との接し方を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
有給休暇は給料をもらいながら休暇を取れる制度
有給休暇とは、その名のとおり給料をもらいながら休暇を取得する制度です。厚生労働省の労働基準行政全般に関するQ&Aによると「雇入れの日から6ヶ月が経過している」「その期間の全労働日の8割以上出勤している」労働者に対して付与されます。
労働基準法で定める有給休暇の付与日数は以下のとおりで、条件を満たしていれば正社員だけでなくパート・アルバイトも付与対象です。
●6ヶ月:10日間
●1年6ヶ月:11日間
●2年6ヶ月:12日間
●3年6ヶ月:14日間
●4年6ヶ月:16日間
●5年6ヶ月:18日間
●6年6ヶ月:20日間
有給休暇の取得は労働者の権利
有給休暇の取得は労働者の権利なので、上司が「さすがに取り過ぎだよ」と言ってきても原則として会社の承認や許可は不要です。労働基準法第39条第5項にて「使用者は、全各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」と定めています。有給休暇の取得理由について答える義務はなく、答えないことを理由に人事評価へ影響が出ることもありません。
繁忙期などを考慮して有休を取得する必要はある
いくら有給休暇が労働者の権利でも、取得するタイミングは考慮したほうがいいでしょう。繁忙期や同日に他の労働者と有給休暇の取得日が重なる場合、業務に支障が出て同僚に迷惑をかける可能性も高いからです。自分勝手に有給休暇を取得した結果、同僚との関係性が悪化するケースもあり得るでしょう。
また、労働基準法第39条5項では「労働者が請求した時季に休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合、使用者に「時季変更権」が認められる」という「時季変更権」を定めています。
有休を取りすぎたと感じた場合の同僚や上司との接し方
有給休暇を取りすぎたと感じた場合は、同僚や上司との接し方には十分に注意しなければなりません。事情があっての休暇取得は労働者の権利であるとはいえ、同僚や上司のフォローが不可欠であることを忘れずにいてください。
休暇前には、周囲に取得日を伝える、業務の調整を行うことは欠かさないようにしましょう。また、休暇明けには休暇を取得した事に対する感謝の意思を伝えることも大切です。
休暇明けに感謝の意思を伝える
有給休暇明けに出勤したら、同僚や上司に「休暇をいただきありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えてください。事情があって休暇を取得しているとはいえ、周囲が業務のフォローを行っているなど迷惑をかけている可能性は十分に高いからです。
勤務先の状況を把握したり、同僚や上司に配慮したりすることは、会社で働くうえでの常識といえるでしょう。
休暇前に業務の調整や周囲への報告を行う
有給休暇を取得することが事前に分かっている場合は「この日程で休暇を取得します」と伝えたうえで、自分が不在でも業務が回るように調整しましょう。自分が抱えている業務の内容をはじめ、社内や取引先から連絡が入る場合は、誰かに対応してもらえるようにしなければなりません。引き継ぎ事項があれば、メモなどにまとめて共有しておくとスムーズです。
有給休暇は労働者の権利でも周囲への配慮を忘れないようにしよう
「雇入れの日から6ヶ月が経過している」「その期間の全労働日の8割以上出勤している」の2つの条件を満たすことで、有給休暇を取得する権利が発生します。
上司に有給休暇を取りすぎと言われたとしても、労働基準法第39条第5項にて「使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」と定めており、会社の承認や許可を得なくても原則として取得は可能です。
ただし、有給休暇を取得することで同僚や上司が業務のフォローを行うのは事実です。当たり前に有給休暇を取得するのではなく、感謝の気持ちを伝える、事前に業務の調整は必ず行うようにしてください。
出典
厚生労働省 よくある質問
厚生労働省 年次有給休暇制度について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー