更新日: 2023.12.30 貯金
家のなかに分散して300万円を置いています。タンス預金ではなく「へそくり」なので問題にならないでしょうか?
そこで、せっかく貯めたへそくりが相続などに影響する可能性があることも注意しておく必要があるでしょう。
本記事では、へそくりの金額をはじめ、へそくりをする人の割合、へそくりが贈与や相続に与える影響なども解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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へそくりの平均額とへそくりをする人の割合
株式会社モデル百貨(長崎県佐世保市)が運営する「MoneyGeek」が、2023年7月27日~8月1日に20~50代の既婚男女5000人を対象とした「へそくりの総額や月々貯めている額、目的などの調査」によると、へそくりの平均額は155万7197円(男性:71万3376円、女性:144万2450円)とのことで、40代女性の平均額が最も高い219万3774円でした。
・20代男性:79万2034円
・20代女性:46万8027円
・30代男性:65万4630円
・30代女性:103万5824円
・40代男性:120万4222円
・40代女性:219万3774円
・50代男性:202万617円
・50代女性:207万2176円
なお、「へそくりをしている」と回答した人は、調査対象の35%とのことでした。へそくり率が、最も高いのは30代男性ですが、男女別・年代別で比較してみると割合に大きな差はないといえるでしょう。
・20代男性:28%
・20代女性:30%
・30代男性:42%
・30代女性:38%
・40代男性:37%
・40代女性:40%
・50代男性:35%
・50代女性:40%
へそくりの目的ですが、女性は「将来のため・老後の備え」「いざというときの備え」とするのに対し、男性は「趣味・遊興費のため」であると伝えています。女性は貯めるのが目的、男性は貯めたお金を使うのが目的というように回答が分かれていました。
へそくりとタンス預金の意味は同じ
へそくりと同様の意味を持つのが、タンス預金です。一般的にタンス預金のほうが高額なイメージはありますが、へそくりやタンス預金に具体的な定義はありません。お金を銀行に預けず自宅の金庫やタンス、本棚や食器棚といった場所へ保管する点は共通するため、へそくり=タンス預金と解釈して問題ないでしょう。
へそくりには贈与税や相続税がかかる場合がある
コツコツと貯めたへそくりであっても、贈与税や相続税がかかる場合がある点に注意してください。例えば、妻が夫の収入からへそくりを行っている場合、「夫から妻への相続財産」とみなされる可能性が高いからです。あくまでも夫のお金を妻が管理しているだけであって、税務署に自分が貯めたへそくりであると訴えても、認めてもらうのは難しいでしょう。
夫または妻から家計の管理を任されている時点で、受け取った人の財産と判断する人もいるかもしれません。しかし、へそくりで貯めたお金に贈与契約を結んでいる可能性は低く、贈与の事実を証明することも困難です。
相続や贈与の問題を回避したいのであれば、へそくりを夫または妻に伝えるしかありません。贈与契約を締結して、へそくりの所有権を明確にすれば税務署の調査対象となった際の有効な証拠になります。
贈与税の基礎控除は110万円
贈与税の基礎控除は、年間110万円です。年間110万円を超える贈与を受けた場合は、贈与税の課税対象となります。へそくりが贈与とみなされ、その金額が年間110万円を超えている場合は、財産を受け取った側が贈与税を納めなければなりません。
相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」
相続人1人の場合、相続対象の財産が3600万円以下であれば相続税はかかりません。相続税の基礎控除額は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」となっており、課税遺産総額から差し引いた金額が課税対象だからです。
へそくりに税金がかかるケースを正しく認識しておこう
将来に備える、趣味のために使うといった目的で、へそくりをしている人は年齢が上がるにつれて割合や金額が高くなっています。へそくりとタンス預金に具体的な定義はなく、自宅で分散して保管している、金額の多い少ないは関係なく同じ意味を持つと認識してよいでしょう。
ただし、せっかく貯めたへそくりが相続税や贈与税の課税対象になる場合があります。税金の納付が必要になった際には、速やかに納税しましょう。
出典
株式会社モデル百貨 MoneyGeek へそくりの総額や月々貯めている額、目的などの調査
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 財産を相続したとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー