更新日: 2023.12.20 その他家計
ママ友の家に遊びに行ったら「ペーパータオル」で手を拭いているようでした。タオルなら「タダ」ですよね? 家計に余裕があってうらやましいです…
本記事では、手を拭くときにタオルを使った場合とペーパータオルを使った場合のコストを比較します。
ペーパータオルにかかる年間コスト
ペーパータオルで手を拭く場合、どれくらいのコストがかかるのでしょうか。
ライオン株式会社が2021年10月に公表した「コロナ禍での手洗い実態調査」によると、1日に手洗いをした回数は平均8.9回でした。ここでは1日に9回、手を洗うと仮定しましょう。
ペーパータオルは製品によって価格に差がありますが、200枚入り170円として計算します。ペーパータオル1枚に換算すると0.85円で、手拭きにかかる費用は次のように計算できます。
0.85円×9回=7.65円
7.65円×365日=2792円
4人家族の場合、年間のペーパータオルにかかる費用は単純計算で2792円×4人=1万1168円です。なお、一回の手拭きにペーパータオル1枚を使用している計算ですが、一回に2枚以上使用する場合はさらにコストがかかります。
タオルにかかる年間コスト
次にタオルにかかるコストを計算します。タオルもペーパータオルと同様、製品によって価格差があります。さらにタオルの交換頻度や、家族と共有するのか、自分専用のタオルを使うかなど、使用状況によってもコストの差は大きくなります。
今回は「タオルを洗面所とキッチンに1枚ずつ置く」「1日に1回交換する」「家族と共有する」と仮定して計算します。
政府の小売物価統計調査(2023年11月)によると、タオルの1枚の価格は510円です。洗面所用とキッチン用の計2枚を買った場合は510円×2枚=1020円、洗い替えなど予備を含めて計4枚買った場合は510円×4枚=2040円かかります。
これとは別にタオルを洗濯するための水道代や洗剤代がかかりますが、サイズを考えるとその費用は軽微と判断し、計算には含めずに考えましょう。仮にタオルを半年に1回買い替えたとしても年間で4080円と計算できます。
ペーパータオルとタオルを比べると、タオルにかかるコストの方が断然安いことが分かります。100円ショップなどで安価なタオルを買うと、さらに安く済むでしょう。
ペーパータオルのメリット
ペーパータオルは金銭面の負担が大きいようにも思えますが、衛生的であるのがメリットです。
大王製紙株式会社は、高温多湿の場所で菌の付いたタオルを放置すると、12時間後には菌が7500倍に増殖するとの調査結果を発表しています。手洗いした後に水分をタオルで拭き取ると手に残った菌が増殖し、他の家族に菌をうつすリスクが高まります。
家族間でタオルを分ける、一度使ったら洗濯するなどの工夫をして清潔さを保つこともできますが、手間や費用がかかってしまいます。
ペーパータオルを使用すれば、菌の付着をさほど気にすることなく、常に清潔な状態で手を拭くことができます。共働きで忙しくこまめにタオルを交換できない、医療職で感染症が気になる、体の弱い高齢者がいるといったご家庭は、タオルよりもペーパータオルを使用する方が合っているかもしれません。
タオルは経済的、ペーパータオルは衛生的
金銭面を考えると、洗って何度も使えるタオルで手を拭いた方がお得です。ただ、タオルを濡れたまま放置すると菌が繁殖しやすくなり、他の家族に菌をうつすリスクも高まります。
ペーパータオルは使い捨てでコストはかかりますが、常に清潔な状態で手を拭けるのがメリットです。医療や介護の現場で働いている場合や、家庭内に高齢者や小さな子どもなど免疫機能が弱い方がいる場合は、ペーパータオルがおすすめです。
湿度が気になる夏場だけペーパータオルを使うなど、使用する期間を限定するのも良いでしょう。
出典
ライオン株式会社 コロナ禍での手洗い実態調査
総務省統計局 小売物価統計調査(2023年11月)
大王製紙株式会社 エリエール いますぐ始める衛生習慣
執筆者:山田麻耶
FP2級