更新日: 2023.12.19 働き方
「固定残業代」が支払われているのに「定時退社」する先輩…後輩の私が言っていいのか分かりませんが、不当ではないでしょうか?
本記事では、固定残業代の考え方について、固定残業代が支払われているにもかかわらず定時退社することには、問題はないのかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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固定残業代とは?
固定残業代とは、残業の有無や残業時間にかかわらず、毎月固定で支払われる残業代のことをいいます。
通常であれば残業時間に応じて残業代の金額が決まりますが、固定残業代の場合は、会社があらかじめ時間外労働時間を決めておき、その分の残業代が最初から給与に含まれています。
例えば、会社が時間外労働時間を「月20時間」と決めている場合、労働者が10時間の残業をしても、月20時間分の残業代が支払われることになるのです。
もちろん、まったく残業をしていなくても給与には残業代が含まれるため、安定した収入を得られやすいというメリットがあります。ただし、固定残業代が支払われているからといって、同じ残業代で何時間でも残業するわけではありません。固定残業時間を超える時間外労働をした場合は、追加で割増賃金を受け取ることができます。
固定残業代が支払われていても定時退社は可能?
固定残業代が給与に含まれている場合であっても、残業代分の残業を必ずしなければならないということはありません。たとえ実際の残業時間が固定残業時間より短くても、また、まったく残業をしていなくても、固定残業代を含めた給与を受け取ることができます。
そのため、固定残業代が支払われているにもかかわらず、定時退社する従業員がいても、特に問題はありません。
厚生労働省によると「36協定の締結にあたって留意すべき事項」に「時間外労働は必要最小限にとどめること」という内容の記載があります。つまり「必要性の高い内容を除き、できるだけ残業をせずに定時退社することが望ましい」と解釈してよいのではないでしょうか。
必要性の高い残業は正当な理由なく拒否することは難しい
固定残業代を受け取っていても、定時退社することに問題はありませんが、会社に協力する姿勢を見せることも大切です。
会社と労働者の間で36協定が締結されており、労働契約書や就業規則に時間外労働についての規定がある場合などは、正当な理由なく残業を拒否することはできないと考えられます。必要性の高い残業も拒否して定時退社を続けていると、減給処分の対象になる可能性もあるため、十分注意が必要です。
固定残業代をもらっていても定時退社は可能
固定残業代が給与に含まれている場合であっても、残業代分の残業をしなければならないわけではありません。そのため、定時退社している従業員がいたとしても、不当ではないと考えられます。
ただし、必要性の高い残業を頼まれた場合は拒否できないケースもあるため、詳しく確認しておくとよいでしょう。
出典
厚生労働省
固定残業代 を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。
36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー