更新日: 2023.11.22 働き方

ビジネスにおけるラポールの形成の重要性とは?

ビジネスにおけるラポールの形成の重要性とは?
ラポール(Rapport)とはフランス語で人とのつながりを意味します。それが心理学では「人との信頼関係」や「好感度」という意味で使われています。
 
ビジネスの決め手は品質や価格ではありますが、それに加えて、売り手と顧客の信頼関係は不可欠です。誰も信頼関係のない相手と長期のビジネスを行おうとはしません。
 
この記事では、ビジネスにおいてなぜラポールの形成が重要か、また、ラポールを形成するための方法について紹介したいと思います。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
 
早稲田大学卒業後、大手メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超える。その後、保険代理店に勤め、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。
 
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表、駒沢女子大学特別招聘講師。CFP資格認定者。証券外務員第一種。FPとして種々の相談業務を行うとともに、いくつかのセミナー、講演を行う。
 
趣味は、映画鑑賞、サッカー、旅行。映画鑑賞のジャンルは何でもありで、最近はアクションもの、推理ものに熱中している。

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ビジネスにおけるラポールの形成の重要性

ビジネスにおいてラポール(信頼関係や好感度)の形成は非常に重要です。以下は、その重要性に関する説明です。
 
1.信頼の構築:
ラポールを築くことは、顧客との信頼関係を築く第一歩です。顧客が売り手や会社に対して信頼を置いていると、商品やサービスに対する信頼も高まり、購買意欲が高まります。
 
2.好感度の向上:
ラポールを築くと、顧客からの好感度を向上させる助けになります。好感度が高ければ、顧客は売り手や会社に対して好意的な態度を持ち、よい印象を受けることになります。これは長期的な顧客関係を築く上で非常に重要です。
 
3.顧客のニーズの理解:
ラポールを築くことは、顧客のニーズや要求を理解するのに役立ちます。顧客が売り手を信頼していれば、顧客は自分のニーズや懸念をよりオープンに売り手に共有してくれるようになります。これにより、売り手は顧客に合った提案や解決策を提供することができるようになります。
 
4.ビジネスの長期化:
ラポールを築くことは、ビジネスの長期化を促進します。顧客が売り手や会社に対して信頼を置き、好感を持っていれば、ニーズが再び生じた場合、その売り手や会社と再びビジネスを行おうと考えるようになります。
 
5.競争力の向上:
ラポールを築くことは競争力を高めることにつながります。顧客が他の競合企業と比べて自社のサービスや製品に好感を持っていれば、顧客から選ばれる確率が高くなるからです。
 
ビジネスにおいてラポールの形成は、顧客との良好な関係を築き、ビジネスを成功に導く、不可欠な要素です。信頼と好感を高め、顧客のニーズに適切に対応することで、顧客満足度を高め、継続的なビジネス関係を作り出すことが可能となります。
 

「ミラーリング」、「ペイシング」、「バックトラッキング」

「ミラーリング」、「ペイシング」、「バックトラッキング」は、コミュニケーションや人間関係、あるいは情報処理に関連するさまざまな概念やテクニックです。それらをうまく行使することはラポールの形成に役に立ちます。
 
1.ミラーリング(Mirroring):
ミラーリングは、相手の言動やボディランゲージを模倣することを指します。このテクニックは、コミュニケーションや人間関係を効果的に構築するために使用されます。
 
相手の言葉遣い、発音、ポーズ、ジェスチャー、表情などを鏡のように反映することで、相手からの共感を得て、信頼関係を築くのに役立ちます。ただし、過度に行うと相手に気づかれて不自然になることがあるため、適度に行うのが重要です。
 
2.ペイシング(Pacing):
ペイシングは、コミュニケーションにおいて相手のペースに合わせて行動することを指します。相手の感情、思考、行動に共鳴し、共感を示すことで、相手とのコミュニケーションを円滑に進める手法です。
 
例えば、相手の声のトーンをまねしたり、相手と同じスピードでしゃべったりすることです。これにより、相手は売り手と同じ世界にいると無意識に感じ、売り手への信頼感が高まります。
 
また、自分自身もペイシングを通じて、相手の気持ちや感情に関する推察力が高まり、相手への理解を深め、対話の効果を高めることができます。
 
3.バックトラッキング(Backtracking):
バックトラッキングとは、相手の言葉をオウム返しにすることです。
 
例えば、「昨日は非常に忙しかったので、疲れました」と相手が言ったら、「すごく忙しかったから、疲れたんですね」と答えます。「休暇で山登りをしたら雲海がとてもきれいでした」と相手が言ったら、「山登りをしたら、雲海がきれいだったんですね」と答えます。
 
何気ないテクニックのようでも、そうすることによって相手との間に共感が生まれます。
 
これらの概念とテクニックは、異なる分野で使用されますが、全体としてコミュニケーション、人間関係を向上させるために役立ちます。
 
これらはあくまでテクニックなので、それぞれのコンテクストにおいて、適切に使用することが大事です。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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