更新日: 2023.11.11 貯金
【定期預金の金利が「100倍」!?】100万円を預けても1年で「2000円」だけど、預ける意味はあるの? メリットについて確認
しかし、金利が0.2%に上昇しても、100万円預けた場合、1年でわずか2000円ほどの利息です。以前の金利では20円であったことを考えると増えているように見えますが、不十分な額だと感じる人も多いでしょう。
本記事では、これから金利が上昇すると予想される銀行の定期預金にお金を預けたほうがいいのかを検討してみます。
執筆者:平原あかり()
単純に定期預金に預けるだけではメリットは少ない
結論からいえば、単純に定期預金に預けるだけであれば、ほとんどメリットはないといえるでしょう。それでもいくつかメリットを挙げるなら、以下のような点が考えられます。
1金融機関につき1000万円まで保護される(預金保険制度)(※)
資金が簡単に利用できなくなることで、無駄な支出を防げる
※同一金融機関で複数口座を持つ場合や、対象商品などによって条件があります。
ただし、金融機関の破綻については、証券会社で投資している場合でも似たような仕組み(分別管理)があります。また、簡単に利用できないのはメリットであると同時にデメリットにもなりえます。
同じく、原則一定期間保有する必要がある国債と比較すると、固定5年物の利率は0.33%(税引前)であったため、今後銀行の5年物定期預金金利の目安となる0.07%と比べても、債券投資のほうがメリットは大きそうです(債券は償還まで保有すれば金額が変動することはありません)。
これらを考えると、ただ単に定期預金を利用するだけではあまりメリットがないように見受けられます。
金利よりもサービスと組み合わせるほうがメリットは大きい
それでは銀行への預金は、利用しやすいこと以外にメリットはないのでしょうか? 現実的に考えると、銀行の預金でお金を増やすことは難しいですが、その銀行のサービスと組み合わせることで、お金を増やすこと以外のメリットが得られます。
具体的なサービスの例として、証券会社との組み合わせ、利用するスーパーとの組み合わせ、コンビニATMを利用しやすくなる銀行との組み合わせなどです。これらはお金を増やすというよりも、そのサービスの利便性を向上させるために、連携している金融機関を利用する銀行の選び方です。
図表1は一例ですが、ほかにもさまざまなサービスが特定の金融機関と連携していることがあります。
【図表1】
各行サービスより筆者作成
金利で選ぶよりも使いやすさで選ぶほうが賢い
バブル期のように、金利が5%を超えるような水準であれば、銀行の定期預金を選ぶ理由になりますが、国内銀行の金利はまだ0.1%程度の水準にとどまっています。そのため、銀行の金利だけで選ぶ必要はなく、定期預金を利用する必要性はほとんどないといえるでしょう。
現在は多くのネット銀行が存在し、地方に住んでいるからといって金融機関の選択肢が限られるという制約はありません。金融機関を1つに絞って利用するだけではなく、自分が頻繁に利用するサービスの利便性が向上する金融機関がないか1度検討してみてはいかがでしょうか。
出典
金融庁 預金保険制度
日本証券業協会 証券会社等の分別管理について
財務省 固定5年「第151回債」
執筆者:御手洗康之
AFP、FP2級、簿記2級