更新日: 2023.11.10 働き方

「週休2日制」って週に1日しか休めないんですか?新しく始めたパート先に騙されていたのでしょうか……?

「週休2日制」って週に1日しか休めないんですか?新しく始めたパート先に騙されていたのでしょうか……?
「週休2日制」 ということばを聞いて、毎週、必ず2日休めると思っていませんか。実はそうではありません。パートなどで働いていくなかでこういう状況におちいったとき、 「聞いていた話と違う」 と感じる方も少なくないようです。週休2日制とは一体、なにを意味しているのかを解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

週休2日制とは何か?

週休2日制とは、毎週、必ず2日の休みがあるという制度ではありません。週休2日制とは、月1回以上、週2日の休みがあるという制度です。言いかえると 「月に1回だけ、週2日の休みがあり、残りの週は1日しか休みがない」という場合でも、週休2日制となるのです。また、その休みも必ずしも土日祝日にあたるとは限りません。
 
例えば求人票には単に「週休2日制」としか書かれていなければ、毎週2日(土日)休めなくても間違いというわけではないのです。
 
ただし、週休2日制といわれていたにもかかわらず、週2日の休みが1ヶ月の間に1回もないという場合は、当初の労働条件に違反する状態になります。このような場合、雇用主は状況によって、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑を科される可能性があります。
 
もし、毎週、必ず2日の休みがあることを希望するのであれば「完全週休2日制」の労働条件で働く必要があります。
 
ただし、完全週休2日制の場合、「必ず週に2日の休みがある」ことを指すため、祝日がある週はその祝日に出勤する必要がある場合もあり、さらに土日祝が休みとも限りません。完全に土日祝休みの職場がよければ、「休日(土日祝)」と記載されている求人をさがす必要があります。
 

扶養内で働きたい場合は収入に注意

パートをするにあたり、多くの方が考えていることに、扶養との関係があります。
 
例えば、夫の税金をおさえるために配偶者控除を満額受け、かつ、自身には所得税が生じないようにするため、年間の収入を103万円以下におさえるという働き方は珍しくありません。一般的にパートは時給制であるため、働いた時間が増えることによって給与も増えていきます。
 
そのため「土日祝休みを想定していたものの、パート先にいわれるがまま週休2日制で働いていたら扶養に入ることのできる収入を超えそうになっていた」ということもありえます。
 
仮に、ある方が時給1000円で、週5日、1日あたり4時間働くことを希望していたとしましょう。これを月収換算すると8万円、年収は96万円で、希望どおりであれば扶養の範囲内で働くことができます。
 
この方が実際に働きはじめたパート先が週休2日制であったと考え、週2日の休みが月に1回になった、つまり「希望と比べて出勤する日が月3日増えた」 と仮定します。
 
その場合、月に1万2000円の収入が増えます。年換算した場合、この増加額は14万4000円です。年収は合計で110万4000円となり、扶養からはずれることになります。休みが想定より少ない場合は、想定より収入も増えている可能性があるので、ご注意ください。
 

労働条件について悩みがあるときは?

もし、労働条件などパートで働くうえで勤務先でのルールや指示などに悩みがあるときは、まずは勤務先に相談してみてください。週2日の休みがなければ自分が扶養からはずれたり、家事ができないなど、家庭に支障が出ることを伝えれば、週2日の休みが得られるよう、対応をしてもらえるでしょう。
 
それでもダメなときは各種の相談窓口に相談してみてください。対面での相談はもちろん、電話やメール、チャットなどで場所を選ばず相談できることもあります。
 
また、厚生労働省の 「労働基準行政の相談窓口」 では平日の昼間だけでなく、休日や深夜にも相談できる窓口も設置されています。必ずしも解決できるとは限りませんが、費用もかからず、解決の糸口がつかめることもあります。
 

週休2日制は必ず週に2日休めるとは限らない

週休2日制とは、月に1回以上、週に2日の休みがあるもので、毎週、必ず2日の休みがあるというものではありません。
 
パートの勤務先で勤務日数が想定より増えると、収入が増えることで扶養からはずれてしまうなど金銭的に大きな問題が生じる可能性があります。
 
速やかにパート先に相談するとともに、解決ができなければ各相談窓口を利用することをおすすめします。
 

出典

日本労働組合総連合会 労働相談 求人票・求人広告と労働条件の明示

厚生労働省 労働基準行政の相談窓口

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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