更新日: 2023.11.07 その他家計

地方で「フリーター」って厳しいですか? 時給「1000円以上」なら、物価が高くても東京に出たほうが楽に暮らせるでしょうか?

地方で「フリーター」って厳しいですか? 時給「1000円以上」なら、物価が高くても東京に出たほうが楽に暮らせるでしょうか?
地方在住のフリーターにとって、東京をはじめとする都市圏に比べて時給が低いことを不満に思うこともあるでしょう。
 
より高い時給を求めて東京への移住を考えている人もいるでしょうが、時給1000円以上が当たり前の東京と約900円の地方とではどちらが良いのでしょうか。地方と東京の時給と生活費の違いを比較し、東京に出たほうが良いのか検証していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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岩手と東京の最低時給と差額

地方在住のフリーターが東京への移住を考えるきっかけの1つに、時給の差が挙げられます。東京の最低時給は、地方と比べてかなり高く設定されているため魅力を感じることでしょう。
 
具体的に2023年10月からの最低時給を比較してみましょう。東京の最低時給は1113円に対して、岩手県の最低時給は893円です。差額は約220円と2割以上も開きがあります。全国的に見て東京の最低時給が高いのは周知の事実です。
 
一方、岩手県は最低時給が最も低い県です。全国平均の1004円に比べて100円程度低いのが実情で、時給ベースで見れば「東京のほうが稼げる」と思わせる大きな理由になっています。
 

1人暮らしの平均生活費はどのくらい?

東京と地方では、賃金に差がありますが、その一方で生活費の差が大きいのが現状です。東京は物価が高いため、収入の多さとは裏腹に生活費もかさんでしまうでしょう。
 
生活費の中でも特に大きな出費が、食費をはじめとする「生活費」です。東京で1人暮らしをする場合は月々約18万円の生活費がかかるのに対し、岩手県は14万円と大きな開きがあります。物価が高い東京都では、岩手県よりも1.3倍程度多く生活費がかかる計算です。
 
また地域によって家賃相場も違います。1Kを例に東京都と岩手県を比較すると、東京都杉並区の家賃相場が7万6000円なのに対し、岩手県盛岡市では4万7000円で違いは1.6倍です。また、1人暮らし人気が高い新宿区の家賃相場は9万5000円とさらに高く、盛岡市の2倍となっています。
 
それぞれの地域の最低時給に照らし合わせて計算すると、生活費を賄うために必要な労働時間は東京都で約162時間、岩手県で約157時間です。
 

東京と岩手県では家賃の差が大きい

東京と地方の生活費を比較する上で、看過できないのが家賃の差額です。東京23区の1Kマンションの平均賃料は10万円を超え、人気があるエリアは15万円以上の家賃も少なくありません。一方、岩手県の盛岡市内にある1Kマンションの平均賃料は4万5000円程度で、東京の半額以下の水準です。
 
もちろん東京23区内でも地域による家賃の開きは大きく、例えば新宿のような中心部では家賃が高いものの、足立区や葛飾区などの周辺部では7~8万円程度で借りられるケースも珍しくありません。都心から少し離れたエリアなら家賃の負担を少しは抑えられますが、家賃を理由に郊外へ住むと、通勤時間が長くなるなどのデメリットもあります。
 
東京全域と盛岡を比べると、東京の方が家賃負担は大きいことに間違いありません。時給の高さは圧倒的に東京に軍配が上がりますが、通勤時間や家賃とのバランスを考慮すると一概に「東京が良い」とはいえません。
 

時給と生活費を総合的に判断し、自分に合った環境を

最低賃金が高い東京で働けば、金額的には稼げる可能性があります。ただ、地方に比べて生活費が高額になるため、単純に「最低賃金が高いから」という理由だけで東京に住むのはおすすめできません。最低賃金だけでなく、物価を含めた生活スタイルも加味して総合的に判断することが大切です。
 
例えば、東京に住むのなら郊外の家賃の安い周辺エリアを選択し、生活費を節約しつつ高い時給でアルバイトをするのも1つの方法です。通勤時間が長くなりますが、家賃は安く抑えられます。自分の生活スタイルに適した環境をよく考え、最良の選択をしていきましょう。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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