更新日: 2023.10.27 働き方
「君が勝手に残ってるだけでしょ?」と言われ残業代が出ません。「仕方ない」と泣き寝入りするしかありませんか…?
そこで本記事では、残業代が支払われる場合とそうでない場合についてケース別で解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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そもそも残業とはどのようなものなのか
残業は、所定の労働時間を超えて働くことを指します。所定労働時間は会社が定めている労働時間です。これとは別に法定労働時間があります。法定労働時間は1日8時間、週に40時間です。
この時間を超えて労働させる場合は残業代として割増賃金を支払う必要があります。会社としては法定労働時間を基に所定の労働時間を定めなければいけません。法定労働時間を超えた場合の残業代は25%の割増率で計算されます。その時間が60時間を超えた場合は割増率が50%に上がります。
どのような場合に残業と認められる?
残業は所定の労働時間を超えて働かなければ認められないので、まずは労働時間がどのようなものなのかを理解する必要があります。
労働時間は使用者の指揮命令下に置かれている時間です。それだけでなく、使用者の指示によって業務にあたっている時間でなければいけません。この際の指示は明示である必要はなく、黙示の指示も認められます。
残業と認められるケース
前述した残業や労働時間をふまえて、残業と認められるケースを2つ紹介します。まずは、所定の労働時間内に終わらないような仕事を頼まれた場合です。この場合は具体的な時間まで残って仕事をするように指示されたわけではありませんが、所定の労働時間を超えて仕事をするように黙示の指示があると考えられます。
次に、就業後の残業が認められないため朝に残業をする場合です。この場合も使用者の指示の下に労働する場合は残業として認められ、残業代が発生します。
残業と認められないケース
所定労働時間を超えて働いたとしても自主的にしている労働については残業として認められない場合があります。例えば、翌日の仕事の準備を終業後に行う場合です。この場合は使用者の指揮命令下にないとされるので労働時間に該当しないからです。
もっとも、翌日の仕事の準備を前日にしなければ支障が出る場合は、使用者からの黙示の指示があると認められ労働時間に該当する可能性もあります。
残業や労働時間について理解しておこう
所定の労働時間を超えて仕事をしている場合は原則として残業が認められる場合が多いです。そのため、泣き寝入りせずに使用者に残業代を請求することも検討してください。
しかし、使用者の指揮命令下にない場合は残業と認められないケースもあります。残業と認められなければ、当然ですが残業代は請求できません。
まずは残業や労働時間について大まかにでも理解することが重要です。そのうえで、残業が認められるケースなのに会社が残業代を支払わない場合は、労働基準監督署などへ相談しましょう。残業や労働時間について理解し、不利益を被らないことが大切です。
出典
厚生労働省 法定労働時間と割増賃金について教えてください。
厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー