更新日: 2023.10.20 働き方

「着替え終わってからタイムカードを押して」と会社から言われます…「着替え時間」は労働時間に入らないの?

「着替え終わってからタイムカードを押して」と会社から言われます…「着替え時間」は労働時間に入らないの?
会社から、制服や作業着の着用を義務付けられている職場も多いでしょう。その際に気になるのが「着替えの時間は労働時間に入るのか?」ということです。会社によっては、「着替えてからタイムカードを押す」と定めているところもあるようです。
 
そこで今回は、会社指定の制服に着替える際にかかった時間は、労働時間に含まれるのかどうかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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会社指定の制服への着替え時間は労働時間に入るのか?

会社で指定の制服や作業着の着用が義務付けられているのであれば、原則着替え時間は労働時間としてカウントできるとされています。
 
労働基準法では「着替え時の労働時間」については明記されていませんが、独立行政法人 労働政策研究・研修機構によると、業務の準備や後かたづけに関して、以下のような定義があるとされています。
 
「本来の業務の準備作業や後かたづけは、事業所内で行うことが使用者によって義務づけられている場合や現実に不可欠である場合には、原則として使用者の指揮命令下に置かれたものと評価され、労基法上の労働時間に当たる」
※独立行政法人 労働政策研究・研修機構 (37)【労働時間】労働時間の定義より引用
 
このことから、「着替えてからタイムカードを押す」というルールが会社で決められていても、業務上着替えが必要不可欠であれば、着替え時間は労働時間として認められる可能性があります。
 

着替えの時間が労働時間として認められるケース

どのようなケースであれば、着替えの時間が労働時間として認められるのでしょうか。判断のポイントは以下の通りです。
 

●会社の就業規則に制服の着用を義務付ける記載がある
●会社によって着替える場所を指定している
●業務を遂行する上で、着替えが必要な行為である

 
会社から、指定の制服や作業着などに着替えることを義務づけられている場合や、着替える場所の指定(更衣室やロッカールームが用意されている)がある場合は、労働時間として認められる可能性が高いといえるでしょう。
 
ただし着替えに関しては会社が「自由」としている場合や、従業員の判断で着替えている場合(指定の制服や作業着はない)は、労働時間として認められないケースもあります。
 

「着替え時間」が労働時間として認められるといくらになるのか

指定の制服や作業着に着替える必要がある場合、着替えにかかった時間が労働時間として認められるならいくらの賃金が支払われるのでしょうか。
 
1回の着替えに5分、更衣室から職場への移動に3分の計8分かかった場合で計算してみます。出勤時と退勤時なので、1日16分が時間外労働として認められます。なお時間外手当の割増率は25%で、1時間当たりの賃金額は1200円とします。
 
1200×16分(16/60分=0.27時間)×1.25(25%)=405円
 
1日あたり405円、1ヶ月に20日働いた場合は8100円もの時間外手当がもらえることになります。
 

会社が着替えを義務付けていれば「時間外手当」が発生する

会社が指定する制服や作業着への着替えには、原則「時間外手当」が発生します。実際に、大手企業が従業員へ着替え時間に対する賃金を支払っていなかったとして問題になったケースもあります。
 
まずは会社の就業規則を確認して、着替えが義務付けられているのかを見てみましょう。
 

出典・参考

東京労働局 しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編

川崎北労働基準監督署 割増賃金の計算方法

独立行政法人 労働政策研究・研修機構 (37)【労働時間】労働時間の定義

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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