更新日: 2023.10.14 働き方
念願の管理職へ昇進しましたが「残業代」が出ないので、月収はあまり変わりません。管理職って「損」しかないのでしょうか? 仕事の負担はかなり増えました
本記事では、管理職の残業代や業務内容、給料などについて解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
管理職は残業代が出ない
労働基準法にて、従業員が1日8時間、1週間40時間を超えて働いた場合、会社は残業代を支払わなくてはなりません。
しかし、一方で「監督若しくは管理の地位にある者」、つまり管理監督者に対しては残業代を支払わなくても良いとも定めています。これにより、多くの会社では課長などの管理職になったのに、残業代が出ないため毎月の給料は変わらないといった場合もあるのです。
管理職はやることが多い
管理職は組織のマネジメントをしなければなりません。そして、一口にマネジメントと言っても一般的にその業務の幅は広いです。例えば、組織内の業務の設計や方針の設定、業務進捗の管理などが考えられます。また、部下の労務管理や健康管理をしつつ、様々な案件の精査や承認などもしています。組織を代表して、会議への参加、情報の伝達や共有も大切な業務です。
マネジメントだけでなく、最近は管理職と言えどもプレイングマネージャーとして実務を担う場合も少なくありません。このように、管理職は多くの業務を抱えていると言えるでしょう。
管理職は一般的には給料は高い
管理職になると、いくら忙しくて残業をしたとしても、多くの場合は残業代が付きません。そのため、中には管理職になる前よりも後のほうが、毎月の給料が下がってしまう場合もあります。例えば、管理職になる前は基本給が30万円、残業代が6万円だったとします。
管理職になって、今までの基本給にプラスして管理職手当が5万円付いたとしても、残業代が丸々なくなってしまえば、昇進以前の月収を超えません。
とはいえ、この例では賞与は含んでいません。そのため、賞与も含めて考えると、一般的には管理職昇進後のほうが給与は高くなると言えそうです。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況(役職別)」を見てみましょう。
これによると、非役職者の賃金の平均は月額で28万1600円ですが、係長級では36万9000円、課長級では48万6900円、部長級では58万6200円です。会社や残業の仕方などにもよりますが、基本的には管理職となり、昇進していくにつれて、賃金は上がっていくと言えるでしょう。
管理職はやりがいも多い
年収ベースでは以前よりも給料が増えるとしても、忙しくて残業代ももらえない管理職になりたくないという気持ちにもなるかもしれません。とはいえ、管理職には年収以外にも魅力的な面もあります。
管理職となると組織内のマネジメントが主な業務です。自分の力だけでなく、人の協力を得て大きな仕事をしていくのは、難しい半面、成功すると大きなやりがいを感じられるでしょう。
また、部下の成長に喜びを感じることも少なくありません。自身のアドバイスによって部下が成功した場合や、育っていく姿を間近で確認できることは嬉しいものです。管理職だからこそ知り得る情報があったり、色々な決定権を持つことができたりすることもやりがいにつながります。
管理職は苦労も多いですが、より大きな達成感や充実感を得られる機会も増えると言えるでしょう。
出典
e-Gov法令検索 労働基準法
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況(役職別)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー