更新日: 2023.10.13 働き方
会社から退職時の「有給消化」を断られた!これは不当なのでは…?
そこで今回は、退職時の有給休暇の消化は、法律的に認められるのかという疑問についてと、退職時の注意点などを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職時の「有給消化」は認められるのか
結論は、退職時に残っている有給休暇を全て消化することは、法律的には認められる行為です。有給休暇は、全ての労働者に与えられた権利であるため、請求するタイミングは、原則自分で決められます。
しかし退職時の場合、業務の引き継ぎが長引き、予定している退職日までに全ての有給休暇が消化できない場合があります。
退職時に有給休暇を消化したい場合には、あらかじめ職場へ伝えておいて、双方で話し合っておくことが大切です。
有給休暇は何日もらえるの?
有給休暇(年次有給休暇)は、1年間で取得できる日数が決められています。さらに、有給休暇の申請期間は2年であるため、前年度に取得できなかった分は、翌年度までならば、繰り越しが可能です。
有給休暇の取得条件は、以下の通りです。
●雇用された日から6ヶ月継続して働いている
●全労働日の8割以上出勤している
上記の2点を満たせば、有給休暇を取得できます。付与日数は、継続勤務年数によって異なり、表1の通りです。
表1
継続 勤務年数 |
6ヶ月 | 1年 6ヶ月 |
2年 6ヶ月 |
3年 6ヶ月 |
4年 6ヶ月 |
5年 6ヶ月 |
6年 6ヶ月以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
※厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」をもとに筆者作成
6年6ヶ月以上働いており、1年にもらえる有給休暇が20日の場合で、1日も使わずにそのまま残っていれば、翌年には、最大で40日間の有給休暇を申請できます。
退職時の有給休暇の消化で起こりやすいトラブル
有給休暇は、条件を満たした労働者ならば、誰でも取得できますが、会社によっては、スムーズに取得できないケースもあります。
退職時に、有給休暇の消化について、起こる可能性があるトラブルの例を紹介します。
●退職前に、有給休暇の消化を認めてもらえなかった
●退職日までに有給休暇の消化が間に合わなかった
●退職後に、有給休暇の消化分の給与が支払われなかった
上記のようなトラブルを起こさないためには、早めに、退職時期と有給休暇を取得したい旨を、会社に伝えることが大切です。上司が適切に対応してくれない場合は、職場の人事部に相談しましょう。
また、有給休暇の申請が受理されたにもかかわらず、給与が支払われなかった場合は、退職後でも、会社に不足分を請求できます。会社が対応してくれない場合は、労働基準監督署への相談を検討しましょう。
退職時の「有給休暇の消化」は認められる! 早めに会社へ伝えよう
退職時に残った有給休暇を取得することは、法律上、認められます。しかしなかには、申請しても拒否されたり、業務の引き継ぎに時間がかかって、有給休暇を消化しきれなかったりするトラブルも起こりえます。
トラブルを起こさずに有給休暇を消化するには、早めに会社へ伝えて、退職に向けて、スケジュールを調整することが大切です。十分な業務の引き継ぎ時間を確保することが、スムーズに有給休暇を消化するためのコツになります。
出典
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説 2019年4月執行(3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー