更新日: 2023.09.30 その他家計
家計管理能力を上げる! 詐欺から身を守る! 学ぼう、金融リテラシー
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
特定行政書士、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士相談センターの相談員として、相続等の相談業務や会社設立、許認可申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
金融リテラシーとは
金融リテラシーとは、お金や経済などの金融に関する知識を正しく理解し、自分自身で生活に必要なお金に関する判断力を身に付けることです。それによって、金融に関する情報を収集、処理する能力も身に付き、経済的に自立し、金融商品や金融サービスを選択することができるようになるまでの知識を得ようということです。
なぜ金融リテラシーは必要なの?
最初に、「金融リテラシーを身に付けておくと、家計管理やライフプランニングに役立つだけでなく、詐欺などお金にまつわる犯罪から身を守ることができる」と書きましたが、実は皆さんは子どものころからお金について学んでいます。
例えば、小遣いやお年玉です。これらをもらう時に「無駄遣いしてはいけない」とか、「先のことも考えて計画的に使いなさい」などをご両親等に言われた方も多いかと思います。
つまり、多くの方は「お金を大事に使うこと」に関しては、子どもの頃から無意識のうちに教えられており、かつ、得ているのです。
しかし、大人になるにつれて扱う金額が大きくなります。しかも、いや応なく多額のお金を使う場面に直面します。例えば、人生の3大資金と呼ばれる住宅資金・教育資金・老後資金だけでなく、日常生活でも結婚や出産・病気・車や保険の契約等の費用が発生します。
そのような資金を適切に管理したりライフプランを立てたり、あるいは増やしたりするためにはどのようにしたら良いかを考えるためには、この「金融リテラシー」が必要となってくるのです。
お金は「守る」だけではいけない
上記のように、お金を大切にということは学びますが、それだけではいけません。日本銀行の資料によると、家計の金融資産の構成は図表1のとおりです。
図表1
日米の大きな差は、現金・預金と株式等の割合です。現在の株高の状況ですと、個人の金融資産の差はどんどん広がっていくことになります。現金・預金だけではどうしても大きく資産を増やすことは難しいですね。もちろん、むやみに株取引を始めることはお勧めできませんが、金融リテラシーには株の勉強も入っています。
トラブル回避も金融リテラシー
以前の詐欺といえば、安物を高額で売りつける悪徳商法や、投資詐欺などがありましたが、多くは高齢者向けの詐欺でした。
しかし、昨今では若者向けにSNSを利用した暗号資産等の投資や取引を持ち掛ける詐欺、偽メール、偽サイトによるフィッシング詐欺や架空請求詐欺など、お金にまつわるトラブルの手口は日々変化し、巧妙化してきています。
特に、昨年から成人年齢が引き下げられたことにより、高齢者だけでなく、若い世代も十分な金融リテラシーを持っていなければならなくなりました。
お金を巡る環境は日々進歩している
金融や経済を含めたお金を巡る環境は、今までにも増して大きく変化していきます。このような環境の変化についていけるように、学生の時だけでなく、社会人になってからも常に情報収集を行い、金融リテラシーを高め、維持していくことが重要となってきます。
出典
日本銀行調査統計局 資金循環の日米欧比較
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表