更新日: 2023.09.26 貯金
「手取り22万円」になったので、実家を出て都内で一人暮らしを考えています。貯金はできなくなりますか?
しかし、手取りが20万円を超えていても、実際に一人暮らしを始めると、お金のやりくりを上手にできるかが不安です。そこで今回は、手取り22万円であれば、都内で一人暮らしができるのかどうかを説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
20代、みんな毎月いくら貯金してる?
三菱UFJ銀行が実施したアンケート調査「20代に聞く!どれくらい貯金している?貯金を増やすために心がけていることは?」の結果を基に、20代の貯金額を確認します。
毎月貯金に取り組む20代のうち、もっとも回答が多かった貯金額は、毎月「1万円~3万円未満」(33.9%)でした。次いで多かったのが「3万円〜5万円未満」(23.7%)、「5万円〜10万円未満」(20.2%)でした。
そのうち、一人暮らしの方のみに限定した場合の貯蓄額は、表1の通りです。1万円~3万円未満の貯金をコツコツ続けている方が、最多の割合を占めています。
表1
貯金額 | 割合 |
---|---|
1万円~3万円未満 | 39.7% |
3万円~5万円未満 | 22.2% |
5万円~10万円未満 | 15.9% |
1万円未満 | 14.3% |
その他 | 7.9% |
※株式会社三菱UFJ銀行「20代に聞く!どれくらい貯金している?貯金を増やすために心がけていることは?」を基に筆者作成
都内の家賃はいくらかかる?
都内の家賃相場について確認します。総務省統計局の「平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」によると下記の通りとなりました。
・東京都……8万1001円
・全国平均……5万5695円
・近隣の県……埼玉県5万9358円、千葉県5万7421円
相場の目安を踏まえれば、積極的に貯金をしたいならば、近隣の県を選ぶべきといえるでしょう。しかし都内でも、全国平均と同等の料金で借りられる部屋もあります。
例えば、不動産・住宅情報サービスのサイトを参照すると、5万円台や6万円台で借りられる部屋のある地域として、表2の地域が挙げられます。(※2023年9月時点)
場所を選べば、都内でも家賃を抑えながら住めるでしょう。
表2
5万円台 | 6万円台 |
---|---|
多摩市、東大和市、東村山市、青梅市、武蔵村山市、東久留米市、あきる野市、八王子市、福生市、小平市、日野市 | 昭島市、稲城市、西多摩郡瑞穂町、町田市、西多摩郡日の出町、国立市、羽村市、江戸川区、西東京市、府中市、狛江市、 小金井市、立川市、葛飾区、国分寺市、清瀬市 |
※筆者作成
都内で一人暮らしするにはいくら必要?
一人暮らしをする場合、賃料のほか、生活費も自身の手取りでまかなわなければなりません。総務省統計局の「家計調査 家計収支編 単身世帯 2022年」によると、34歳以下単身者の住居費用を除く消費支出額は、表3の通りです。
表3
項目 | 年間支出額 | 月額換算 |
---|---|---|
食料 | 44万166円 | 3万6680.5円 |
光熱・水道 | 11万1266円 | 9272.2円 |
家具・家事用品 | 4万5339円 | 3778.3円 |
被服・履物 | 9万4156円 | 7846.3円 |
保健医療 | 6万4661円 | 5388.4円 |
交通・通信 | 24万1312円 | 2万109.3円 |
教養娯楽 | 26万7612円 | 2万2301円 |
その他 | 19万3759円 | 1万6146.6円 |
合計 | 145万8271円 | 12万1522.6円 |
※小数点第2位以下四捨五入
※総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 2022年」を基に筆者作成
月額に換算すると、家賃のほかに、12万1523円程度が必要になる計算です。仮に、都内で6万円の家を借りた場合、家賃と生活費を合計すると毎月19万円近い支出になります。つまり、理論上は不可能ではないうえに、1万~2万円の貯金はできる可能性があります。
ただし、奨学金の返還で別途1万~2万円が必要な場合や、趣味に数万円使う場合は、親からの仕送りなしで生活していくことは、難しいといえるでしょう。
手取り22万円で都内の一人暮らしを始めるなら、物件を厳選する必要がある
手取りが22万円の場合、都内で一人暮らしを始めるには、5万~6万円程度で借りられる物件を探す必要があります。しかし地域が限られるため、交通費や利便性なども考慮して、慎重に検討しなければならないでしょう。
少し余裕をもって生活をしたい場合や、奨学金の返還がある場合などは、もう少し手取りが増えるまで、待ったほうがよいかもしれません。
出典
株式会社三菱UFJ銀行 「20代に聞く!どれくらい貯金している?貯金を増やすために心がけていることは?」
総務省 統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)「家計調査 家計収支編 単身世帯2022年」<品目分類>1世帯当たり年間の品目別支出金額 10 男女,年齢階級別 単身世帯・勤労者世帯
総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」(11ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー