更新日: 2023.09.17 働き方
正社員として採用の予定でしたが、「やっぱり契約社員で」と言われました。年収はそう変わらないのですが、どんなデメリットがありますか
そこで今回は、契約社員として働く場合の注意点を解説していきます。また、契約社員のメリットとデメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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契約社員の注意点を解説
契約社員として働く場合に最も注意しなければならないのは、契約更新が保証されていないことです。もし契約を更新できない場合は新しい雇用先を探さなければならず、就職活動の進捗によっては収入を得られない期間が発生する可能性があるのです。
なお契約を更新せず終了させることを「雇い止め」といい、リーマン・ショックや新型コロナ感染拡大などを起因として社会問題になりました。
しかし、2013年4月の労働契約法改正により、無期転換ルールが成立します。無期転換ルールとは、契約社員が同じ企業で働き、契約が更新されて通算5年を超えた場合には、労働者の希望により無期雇用契約に転換できるルールのことです。企業側はこのルールの適用を拒否できません。これにより、常に雇い止めの不安を感じながら働く契約社員の不安は、解消されたといえるでしょう。
ただし無期雇用になるといっても、正社員に転換することを義務付けられているわけではなく、企業によって雇用形態など待遇が異なるのが実情です。
契約社員のメリット・デメリットを紹介
契約社員のメリットは、一般的に「やりたい仕事・職種につける可能性があること」「転勤・出張がないこと」「ワークライフバランスを保ちやすいこと」などです。
契約社員は契約ごとに業務内容が決められるため、やりたい仕事や職種につける可能性が高くなります。専門的な仕事に従事すれば、キャリア形成にもつながるでしょう。ただし、正社員の補助的な仕事が多く、責任のある仕事は少なくなる傾向にあります。
また契約書に記載がない限り、原則として契約社員は転勤や出張はありません。これは単身赴任もあり得る正社員と比べて、大きなメリットといえるでしょう。
ワークライフバランスをとりやすいのも、契約社員のメリットといえます。残業なども少なめであることが多く、また勤務時間を交渉することもできるなど自由度の高い働き方ができる可能性があります。
一方、契約社員の最も大きなデメリットは、雇用期間が決まっていることだと考える人が多いのではないでしょうか。1回の契約期間は企業により6ヶ月単位や1年単位などさまざまですが、最長でも3年です。ただし、専門知識を持っている、または60歳以上の労働者の場合は、それぞれ最長5年までの契約が可能です。契約が満了した場合は、双方の合意のもと契約更新ができます。
そのほかのデメリットは、契約社員は一般的にボーナスが出ない、昇給がないケースが多いことです。また住宅手当や扶養手当、交通費などの各種手当がつかないこともあります。
ただし、厚生年金・健康保険・雇用保険・労災保険などの社会保険や有給休暇については、正社員と同じ扱いになっています。また産休や一定範囲の有期契約労働者の育児休暇も取得可能です。
正社員登用制度と限定社員について解説
企業によっては正社員登用制度を設けており、能力や実績によって正社員になれるチャンスが用意されています。また契約期間中に契約社員の能力や適性を判断して、一定水準以上の人材を正社員として雇用する企業もあります。
さらに企業にとって利点が多いために導入が進められているのが限定社員です。
限定社員とは、勤務地域・労働時間・職務内容のいずれかを限定して働く労働者のことで、待遇は正社員と変わりません。限定社員にとってのメリットは、ワークライフバランスをとりやすいことです。一方、企業にとっても優秀な人材の確保や離職防止などのメリットがあります。
契約社員の注意点を把握したうえで進むべき道を考えよう
契約社員がもっとも注意しなければならないのは、契約の更新が保証されていないことです。そのため、更新時期が来る前から、次に進むべき道を考える必要があるでしょう。契約を更新せずに、新しい仕事に挑戦もできます。また、今の職場で正社員や限定社員を目指す方法もあるでしょう。
契約社員の注意点を把握しつつ、自分にとって何が最もよい方法なのか、進むべき道を考えましょう。
出典
厚生労働省 無期転換ルールについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー