更新日: 2023.09.08 家計の見直し
年収500万円、4人家族です。マイカーは「リース」と「購入」どちらがよいでしょうか
とはいえ、マイカーを保有する選択肢は広がりをみせており、以前のように購入して保有するほかに、リースという方法もあります。本記事では、マイカーはリースと購入ではどちらがよいのか考えてみます。
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
リースとはどんな制度?
まず知っておくべきことは、マイカーのリースとはどのような制度なのかということです。
マイカーリースは、新車と中古車のいずれも対象です。
新車の場合、希望の新車をリース会社がディーラーから購入し、自宅に納車してもらいます。利用者の負担は月々のリース料のみですが、その他、駐車場代金やガソリン代、自動車の任意保険等を負担します。
中古車の場合、希望する車種を選び、走行距離や年式、クルマの状態等を確認してリース契約を結びます。利用者の負担するのは、新車と同じです。
新車の場合も中古車の場合も、ともにリースしている自動車を購入することも可能です。なお、中古車の場合、契約満了後には無償でクルマを譲り受けることができる会社もあります。
また、そもそもカーリースを安く利用できる理由は、「残価設定」により車両価格を抑える仕組みがあるからです。これは、あらかじめクルマの価格から数年先の残価保証額(=残価)を差し引いた金額を分割払いするために、リーズナブルに利用できるというもので、「残〇〇」などという名称で人気を集めています。
カーリースと購入のメリット・デメリットを考えてみよう
ここでは、マイカーをリースする場合と購入する場合のメリット・デメリットを解説します。主なメリット・デメリットは、下記のとおりです。
●リース
~メリット~
・常に新車に乗ることができる
・契約期間が過ぎれば、契約を解除するだけでクルマを手放せる
・頭金不要で初期コストが少なくクルマを手に入れることが可能
・好きな自動車に乗り換えやすい
・リース料を経費として計上できる
~デメリット~
・中途解約が原則できない会社が多い
・任意保険は自分で負担しなければならない(リース料に含まれる会社もあり)
・走行距離に制限がある
●購入
~メリット~
・自分の好きなタイミングで購入できる
・購入時に価格交渉ができる
・自分の好みにカスタマイズも可能
・所有権があるため、財産になる
~デメリット~
・頭金が必要になることがある
・初期費用がかかる
・ローンを利用している場合、返済が終わらなければ自分の所有物にならない
・各種手続きは基本的に自分で行う必要がある
リースか購入、どっちがいいの?
リースも購入も、それぞれメリット・デメリットがあります。ここで、気になるのはコストのことです。いったい、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
例えば、ファミリーに人気の日産「ノートX」を残価設定型クレジットで図表1の条件で購入した場合です。
【図表1】
(出典:日産「NOTE」ホームページ)
メーカー希望小売価格とオプションをつけて合計5年間のリースで年利4.9%、60回払い、メーカー希望小売価格(諸費用込み)が268万6445円の場合には、初回は3万1742円、2回目以降は2万5700円、ボーナス払い10万円を10回リース料として支払いますので、5年間で226万5787円支払うことになります。つまり、本来の購入価格より少ない負担額でマイカーを利用することができる計算です。
なお、5年経過して他のクルマに乗り換える、もしくは返却するときには費用はかかりませんが、このクルマを購入するときには86万6000円支払うことになりますので注意してください。
一方、上記の日産ノートXを実際に購入する場合は、268万6445円+利息分を返済することになります。頭金68万6445円で残り200万円を年利2.0%、5年間で返済する場合には、毎月の返済は約3万5000円になります。リースを利用したときよりも毎月1万円強のコストが多くかかる計算になります。
その他にも自動車税(排気量1198cc)3万4500円を毎年必要コストとして計上しなければなりませんので、購入する場合には、リースよりも5年間で約70万円多く支払わなければならない計算になります。
リースに向いている人は、いろいろなクルマを楽しみたい人、少ないコストでマイカーライフを楽しみたい、所有にこだわりがない人などです。
購入に向いている人は、クルマを自由にカスタマイズしたい人、リースでは毎月や毎年の距離制限があるため、思う存分走りたい人などです。
まとめ
クルマはあれば便利なのですが、いずれの場合でも、駐車場代やガソリン代、メンテナンス費用等もかかります。
自分たちがどのくらいクルマを利用するのかを考えて、自分たちにとってメリットがあるのはどちらなのかを考えて、選ぶことが大切です。
出典
日産自動車株式会社 NOTE ホームページ
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト