更新日: 2023.09.05 働き方

10年間専業主婦でした。再就職できるか不安です。どのように準備したらよいでしょうか?

10年間専業主婦でした。再就職できるか不安です。どのように準備したらよいでしょうか?
【ご相談内容】
Aさんは35歳、子どもが2人いる専業主婦です。そろそろ仕事をしたいと思っているのですが、10年間のブランクがあり、再就職できるのか大きな不安を感じています。どのようにしたらよいかアドバイスがほしいとのことです。
 
【FPからの回答】
10年間、専業主婦をされていたということから、再就職に関する不安はもっともです。ただ、少子高齢化の日本では、万年人材不足の企業もあり、「働いてくれるのならすぐにでも来てほしい」という職場があるということも事実です。
 
しかし、子どもが2人いて、しっかりと再就職先を選ぶとすると、長続きできる勤務先を落ち着いて選びたいでしょう。今や定年の65歳よりもさらに上の70歳までの雇用の努力義務が企業には課せられています。
 
いったん、再就職した後できるだけ長く働き続けるということを目標に、35歳から働き始めたとして、その後の30年間、どんな働き方をしようか、自分の気持ちとしっかりと向き合うことから始めてみましょう。
當舎緑

執筆者:當舎緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。著書は、「3級FP過去問題集」(金融ブックス)。「子どもにかけるお金の本」(主婦の友社)「もらい忘れ年金の受け取り方」(近代セールス社)など。女2人男1人の3児の母でもある。
 

自分の「棚卸し」から始めてみよう

まず、10年間のブランクの前に就いていた仕事、そしてプライベートで果たした役割を思い出してください。10年のブランクが、ブランク(空)だとは限りません。子ども関連の役職などで培ったスキルやコミュニケーション能力などは、年齢とともに上がってくることもあるはずです。
 
求人募集をしている企業の募集案内を見るときに、「自分がやりたいこと」を自分の棚卸しをしたスキルと比較しながら考えてみましょう。例えば、以下のようにまとめてみるのはいかがでしょうか。
 
このケースでは、結婚前に、経理の仕事を担当し、実際に会計ソフトの入力などをし、プライベートでは、子ども関連の会計を担当していたケースです。このように、基本の会計の知識があれば、あとは最新の会計ソフトのマニュアルや税制の知識を補完して、経理関係の仕事に募集することも考えられるでしょう。
 
それ以外にも、営業職などのケースで資格などはなかったとしても、「コミュニケーション能力はある」「接客が好き」「交渉力に優れている」など、自分が好きなこと、できること、やりたいことを書き出してみれば、意外と再就職先の方向性は見えてくるでしょう。
 


 

それでも不安ならリハビリから始めてみよう!

自分の棚卸しをしてみても、それが仕事として役立つのか、いきなり実務レベルで使えるのか考えてみて、それでも心配なら、まずは職業訓練や、地域で行われているハローワークなどのイベントや説明会に参加してみましょう。
 
今は、労働力人口の減少や少子化の影響もあり、厚生労働省も、女性の就職や自立に力を入れています。職業訓練といっても技能を取得できるだけでなく、セミナーや相談会、面接の練習など、きめ細かい相談にのってもらえる環境が整ってきているといえるでしょう(※1)。
 
ハローワーク経由で紹介される職業訓練については、原則は雇用保険の基本手当受給中の方が対象者ですが、受給中以外の方が対象になる職業訓練もありますので、普段からインターネットをチェックしておく習慣をつけておくのもよいでしょう(※2)。
 

働き方は収入だけでなく、支出にも注目しておきたい!

働き方が多様化していることから、「パート」「アルバイト」「派遣社員」「有期雇用契約社員」「短時間正社員」や「正社員」など企業によって呼び名はさまざまです。どんな名称の働き方をするにせよ、収入だけでなく、働きやすさや実際に行う職務についてちゃんと確認して、今後の働き方を考えましょう。
 
妻が再就職することによる注意点についても少し触れておきます。
 
夫婦2人ともが収入を得ることで、家計にゆとりができるということは多々あります。ただ、収入が増えることで「ゆとりができた」と勘違いをして、支出も増えることがあります。「仕事で帰りが遅くなったから外食して帰ろう」「子ども2人の習い事を増やしたい」など、ささいなライフプランの変更だと思っても支出は積み重なり、家計に大きく影響します。
 
仕事を始めることで、生活も当然忙しくなりますが、収入に伴って支出も増えていかないよう、定期的な家計の見直しをすることが欠かせないでしょう。
 

出典

(※1)内閣府 男女共同参画局 女性応援ポータルサイト
(※2)厚生労働省 ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
 
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

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