更新日: 2023.09.01 貯金
「郵便貯金」の放置は危険!? 権利消滅にならないために知っておくべきこととは?
本記事では、権利が消失する原因と、払い戻しの方法について解説しますので、定期的な郵便貯金をしていた方は、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
郵便貯金の権利が消滅するって一体どういうこと?
郵政民営化以前に、定期的に預け入れした「郵便貯金」は、「旧郵便貯金法第29条(貯金に関する権利の消滅)」の規定が適用される「睡眠預金」です。
預け入れ期間が満期となってからの10年間で、払い戻しやなんらかの手続きを行わずにいると「満期日経過のご案内」が送付されます。さらにその後、10年たっても取り扱いのない睡眠預金をお持ちの方宛てには「権利消滅のご案内(催告書)」が送付されます。
「権利消滅のご案内(催告書)」が届いた方は、2ヶ月以内に払い戻しの手続きを行わなければ、権利が消滅して、貯金全額が国庫に入ってしまいます。
権利が消滅する主な郵便貯金は、以下のとおりです。
●定額郵便貯金
●定期郵便貯金
●積立郵便貯金
●住宅積立郵便貯金
●教育積立郵便貯金 など
通常郵便貯金や通常貯蓄貯金は、ゆうちょ銀行に引き継がれているため、権利消滅の対象外です。なお、2021年の睡眠貯金残高は3243億円、権利消滅額は457億円に上ります。
払い戻し対象の人となる人とは?
権利が消滅する「郵便貯金」の払い戻し対象となるのは、以下に該当する方です。
●「権利消滅のご案内(催告書)」が送付された方
●預け入れ満期後になんらかの手続きを行った方
「権利消滅のご案内(催告書)」が届いた方は、2ヶ月以内に払い戻しの申請をする必要があります。
また、預け入れ満期後に郵便貯金通帳や貯金証書の再交付や印章の変更、氏名・住所の変更などを行ったことが確認できれば、20年2ヶ月の期間を問わず、払い戻しできる可能性があります。
2007年9月以前に定額郵便貯金や定期郵便貯金などをしていた方は、郵便局の窓口やゆうちょ銀行の店舗で口座の状況を確認しましょう。
権利を消滅させないためには?
郵便貯金の権利を消滅させないためには、払い戻しの申請手続きを行う必要があります。申請手続きには、以下の書類が必要です。
●郵便貯金通帳または証書
●お届け印
●公的機関が発行した本人確認ができる証明書類
上記に挙げた書類を持参のうえ、郵便局の窓口やゆうちょ銀行の店舗で、払い戻しの手続きを行います。本人確認のために必要な証明書類は、住所・氏名・生年月日が記載されているマイナンバーカードや運転免許証、パスポートなどが該当します。
権利消滅後、絶対に払い戻しはできない?
「権利消滅のご案内(催告書)」が届いて、2ヶ月以内に払い戻しの申請ができなかった場合でも、条件次第では、申請手続きができる可能性があります。主な条件は、以下のとおりです。
●催告書の認識・理解が困難
●事故や疾病で催告書の認識・申請が困難
●災害により催告書の認識・申請が困難
●やむを得ない理由で、転出・転居の届けが出せず、催告書の認識・申請が困難
申請受付期間は特に設けられていませんが、権利消滅となった事実を確認できることが、条件になっています。
睡眠預金の権利消滅に気をつけましょう
郵便貯金以外の銀行預金も、一定期間、払い戻しや手続きをしていないと、睡眠預金(休眠預金)の扱いとなる場合があります。この機会に、使っていない預金口座を見直してみてはいかがでしょうか。
出典
独立行政法人 郵便貯金 郵便貯金の権利消滅等に関するQ&A
独立行政法人 郵便貯金 郵便貯金権利消滅取消基準
独立行政法人 郵便貯金 睡眠貯金残高・権利消滅額の推移
独立行政法人 郵便貯金 満期を経過した郵便貯金の払戻しに関するお知らせ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー