更新日: 2023.08.31 働き方
昼休みにデスクで「昼寝」ってダメですか? 職場で禁止されているのですが、何をしていても自由ではないのでしょうか?
そこで、労働基準法などでは、労働者の昼休みをどう定義しているのか、昼休みの過ごし方について使用者側から何か言われた場合、労働者側が心得ておきたいことや対処法を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
労働基準法における休憩時間の定義
労働基準法第34条では、労働者の休憩時間について以下の3つの定めがあります。
1.労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を与えなければなりません。
2.労働組合または労働者の半数以上と書面による協定を結んだ場合を除き、休憩は一斉に取らせる必要があります。
3.休憩時間は自由に利用させなければなりません。
休憩時間は労働時間ではないので、勤務先が命令したり管理したりすることはできません。ただし、事務所の設備や施設は、休憩時間中であるか否かにかかわらず、事務所が管理権を持つため、利用を制限させることはできます。休憩時間だからといって、どこで何をしても良いわけではないのです。
休憩時間中に昼寝をすることに対する是非
労働安全衛生規則第616条には、労働者が就業の途中に仮眠できる機会があるときは、事業者は男性用と女性用に区別して適当な睡眠または仮眠の設備を備えなければならないと定められています。
また、事務所衛生基準規則第21条では、常時50人以上、常時女性30人以上の労働者を使用するとき、労働者が寝られる休養室または休養所を男女分けて設けなければならないとも定めています。ただ、休養室や休養所の設置は義務ではなく努力義務のため、必ず設置しなければならないわけではありません。
そのため、事務所内に昼寝のできる休養室が設けられていない場合は、自席で昼寝をすることをとがめられるものではないでしょう。
逆に、昼寝ができる設備が備わっている事務所の場合、自席で昼寝をせず休養室で昼寝をするよう使用者側が決めることはあり得ます。管理上の合理的な理由なしに不当な制約を課すことは、労働基準法違反になる可能性があります。
ただし、就業規則に仮眠を禁じると書かれていた場合は、規律違反としてとがめられても文句を言うことはできません。過去には、夜勤労働者が休憩時間中に仮眠したことに関して、休憩時間の終わりに起こしてもらうことになっていれば、疲労回復を目的とした労働者の休憩時間の使い方として妥当な範囲を越えないとした案件もありました。
昼休みに昼寝することを使用者から禁止されているなら、一度就業規則を確かめてみましょう。就業規則に昼寝禁止の文言がなければ、昼寝をすること自体に問題はないはずです。
昼休みに業務を行った場合、給料をもらえるのか
昼休みは基本的には勤務から離れているため給料は発生しません。
なお、全員が一斉に休みを取ると来客や電話対応ができないため、昼休みに来客待ちや電話番をする必要がある場合は、給料が支払われる可能性があります。
また、使用者から指示があればすぐ業務に入れるよう拘束されている、一人勤務で実質的に休憩を取れない、出勤から退勤まで休憩を取ることが難しい職種の場合も休憩時間分の給料が発生する可能性があるでしょう。
休憩時間は基本的に自由に使える時間
休憩時間は、基本的に労働から離れて自由に使える時間です。労働安全衛生規則や事務所衛生基準規則では、使用者側が仮眠を取れる休養室や休養所を設置することを努力義務として定めています。
就業規則で昼寝禁止との文言がない限り、昼休みに昼寝をすることを使用者側は禁止できません。就業規則に明記されていないにも関わらず使用者側から昼寝を禁じられているのであれば、労働基準監督署などに相談してみるのも選択肢の一つです。
出典
e-Gov法令検索 労働基準法
中央労働災害防止協会 労働安全衛生規則 第三編 第六章 休養(第六百十三条-第六百十八条)
中央労働災害防止協会 事務所衛生基準規則 第四章 休養(第十九条-第二十二条)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー